vsolj-news 192: Nova Cyg 2008

                        VSOLJ ニュース (192)

           札幌市の金田宏さん、はくちょう座に新星を発見

                                         著者  :山岡均(九大理)
                                         連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

  春まだ浅いこの季節ですが、明け方の空には夏の大三角も見え、天の川に多
く出現する新星が発見される頃となってきました。その先駆けとなる、今年初
の銀河系内の新星を、札幌市の金田宏(かねだひろし)さんが発見されました。
金田さんは、昨年末に新星こぎつね座V459を発見されました(VSOLJニュース
(186))が、それに引き続いての2個目の発見となります。

  金田さんは、3月7.801日(世界時、以下同じ)に撮影したCCD画像から、8.2等
級の新天体を発見しました。埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さんに
よって測定された新星の位置は、
    赤経  19時58分33.39秒
    赤緯 +29度52分06.5秒 (2000年分点)
です。国内外で、この新星を独立に発見したという報告が多数あり、国内から
では、愛知県岡崎市の山本稔(やまもとみのる)さん、熊本県合志市の工藤哲生
(くどうてつお)さん、愛知県豊橋市の長谷田勝美(はせだかつみ)さん、三重県
亀山市の中村祐二(なかむらゆうじ)さんが報告されています(報告時刻順)。

  国立天文台の岡山天体物理観測所188cm望遠鏡を使って、突発天体を専門と
する京都大学の野上大作(のがみだいさく)さんたちが天体のスペクトルを取得
し(3月8.794日)、この天体が極大期の新星であることがわかりました。今後の
光度変化などが楽しみです。

参考文献:CBET 1291 (2008 Mar. 8)
     IAUC 8927 (2008 Mar. 8)
                                                        2008年3月11日

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