vsolj-news 194: SN 2008bt in NGC 3404

                        VSOLJ ニュース (194)

                山形市の板垣さん、超新星を独立発見

                                         著者  :山岡均(九大理)
                                         連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

  山形県山形市にお住まいの板垣公一(いたがきこういち)さんが、自身今年4
個目となる超新星を発見しました(独立発見含む、以下同じ)。板垣さんの超新
星発見は通算38個目となり、発見のペースは衰えを知りません。

  超新星2008btと名付けられたこの天体に世界で最初に気付いたのは、リック
(Lick)天文台のカツマン(Katzman)自動撮像望遠鏡で超新星捜索を行なってい
るカリフォルニア大学バークレー校のグループです。板垣さんはその翌日にこ
の天体に独立に気付きました。天体の位置(リック天文台の測定)は、

  赤経  10時50分16.88秒
  赤緯 -12度06分32.0秒  (2000年分点)

で、母銀河であるNGC 3404の中心から16秒角ほど西にあたります。これまでに
報告されている明るさは、

4月 3.24日   18.8等より暗い リック天文台
  13.23日   16.6等       〃
  14.24日   16.5等       〃
  14.548日   16.6等     板垣 (時刻は世界時)

で、発見から1日間ではほとんど明るさが変わっていないことがわかります。

NGC 3404はうみへび座の方向にある渦巻銀河で、私たちから2億光年あまりの
距離にあります。見かけの明るさ、光度変化のようすを勘案すると、超新星の
なかでもそれほど明るくない部類である「重力崩壊型」のものとも考えられま
すが、今後行なわれる分光によるタイプ判別が待たれます。

参考文献:CBET 1336 (2008 Apr. 14)

                                                        2008年4月15日

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