vsolj-news 204: bright nova in M31 VSOLJ ニュース (204) アンドロメダ座大銀河に明るい新星が出現 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@phys.kyushu-u.ac.jp アンドロメダ座に、肉眼でも見える雲の切れ端のような天体。それは、私た ちの銀河系のお隣の銀河である、アンドロメダ座大銀河です。距離は200万光 年強で、ここで新星が出現すると16等〜18等ほどに明るくなることが多く、個 人所有の望遠鏡でも冷却CCDを組み合わるとじゅうぶんに撮影できます。その ため、このところアンドロメダ座大銀河での新星探しが流行しています。そん な中、たいへん明るい新星が、このアンドロメダ座大銀河で発見されました。 発見したのは、山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんで、各種の新天体を 多数発見されているベテラン捜索者です。 板垣さんは、11月28.642日(世界時、以下同様)に撮影した画像で、14.5等の 新しい天体に気付きました。以前の画像を調べてみたところ、2日前の26日に も19等〜18等くらいで写っていた一方、それ以前の画像では見られないことが わかりました。天体の位置は、 赤経: 0時42分26.50秒 赤緯:+42度15分36.7秒 (2000年分点) です。これまでに板垣さんが撮影した画像から測定した明るさは、 11月26.498日 19.0等 26.538日 18.8等 26.548日 18.8等 26.561日 18.6等 26.564日 18.5等 26.565日 18.4等 26.581日 18.2等 28.642日 14.5等 28.643日 14.5等 28.645日 14.6等 28.651日 14.5等 28.663日 14.6等 28.714日 14.7等 28.739日 14.9等 と、おそらく28日頃に極大(もっとも明るい時期)を迎えたものと思われます。 絶対等級で-9等を越える、新星のなかでも特に明るいものと推定されます。 新星は明るいものほど光度変化が速いことが知られており、今回の新星も明 るい状態なのはたいへん短いと思われます。この週末、アンドロメダ座大銀河 を撮影して、新しい星を体験してみるのはいかがでしょうか。 参考文献:CBET 1588 (2008 Nov 28) 2008年11月29日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。