vsolj-news 211: SN 2009at in NGC 5301

                        VSOLJ ニュース (211)

                   りょうけん座の近傍銀河に超新星

                                         著者  :島田雅史、山岡均(九大理)
                                         連絡先:yamaoka@phys.kyushu-u.ac.jp

 千葉県香取市にお住いの野口敏秀(のぐちとしひで)さんが、超新星を発見さ
れました。野口さんは、超新星捜索を始められてから10年あまり、念願の初発
見です。

 野口さんは、3月11.633日(世界時、以下同様)に23cmシュミットカセグレン
望遠鏡で撮影した画像から、16.5等の新天体を見つけました。新天体の位置は、

    赤経: 13時46分26.68秒
    赤緯:+46度 6分 9.1秒 (2000年分点)

で、母銀河であるりょうけん座の渦巻銀河NGC 5301の中心核から東に21秒角、
南に15秒角ほどのところです。

 この新天体は、11.760日に埼玉県の門田健一(かどたけんいち)さん、11.773
日に滋賀県の井狩康一(いかりやすかず)さんによって確認観測が行われ、超新
星2009atと命名されました。また、野口さんが発見する前日(10.621日)に、山
形県の板垣公一(いたがきこういち)さんが撮影した画像でも、16.5等で写って
いたことが報告されています。

 NGC 5301は、かなり近距離の銀河で、典型的なIa型超新星であれば13等級前
後まで明るくなると期待されます。今後の分光観測によるタイプ判別や光度変
化のモニターが楽しみです。

参考文献:CBET 1718 (2009 Mar. 12)
                                                        2009年3月12日

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