Subject: vsolj-news 221: SN 2009js in NGC 918 VSOLJ ニュース (221) 近傍銀河に出現した超新星2009js 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@phys.kyushu-u.ac.jp 秋分も過ぎて、北半球では夜のほうが昼よりも長い季節となりました。天体 観測にも長い時間が取れると期待されます。そんな折、近傍銀河のNGC 918に 超新星が発見されています。発見したのは、山形市のベテラン天体捜索者、板 垣公一(いたがきこういち)さんです。 板垣さんは、10月11.69日(世界時、以下同様)に撮影した画像上で、17.2等 級の新しい光点に気付きました。翌日の12.527日にも同じ明るさで見えていま したが、9月24.67日に撮影した画像では、この場所には18.5等級より明るい星 はありませんでした。新しい天体の位置(板垣さんの発見時の測定)は、 赤経 2時25分48.30秒 赤緯 +18度29分26.2秒 (2000年分点) で、おひつじ座の渦巻銀河NGC 918の中心から35秒角西、21秒角南にあたりま す。外側の腕に沿った位置です。発見画像は、 http://www.k-itagaki.jp/images/ngc918.jpg で見ることができます。 この天体は、宮城県大崎市の遊佐徹(ゆさとおる)さんによって確認され、ま たリック天文台の自動撮像望遠鏡KAITによっても独立に発見されて、超新星 2009jsと符号をつけられています。リック天文台ではこの超新星の分光観測も 行なわれ、極大に近いII型超新星であると判別されています。母銀河の距離が 18Mpcほどと近く、これから明るくなるかもしれません。今後の光度変化が楽 しみです。 参考文献:CBET 1969 (2009 Oct. 12) 2009年10月13日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。