Subject: vsolj-news 227: Possible Nova in Eridanus VSOLJ ニュース (227) エリダヌス座に新星らしき天体が出現 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@phys.kyushu-u.ac.jp オリオン座の腰から南西に流れる川の星座エリダヌス座に、8等級の明るい 新天体が見つかりました。新星のような光度変化を見せています。見つけたの は、山形市の板垣公一(いたがきこういち)さん、これまでたくさんの新天体を 発見されてきたベテラン捜索者です。 板垣さんは、21cm望遠鏡を用いて構築している捜索システムで11月25.536日 (世界時、以下同様)に撮影した画像上で、8.1等の天体に気付きました。60cm 望遠鏡で同領域を撮影し、天体の位置を精確に測定したところ、 赤経 4時47分54.21秒 赤緯 -10度10分43.1秒 (2000年分点) となりました。 南米チリで自動観測を続けているASAS-3システムでも、この天体が捉えられ ていました。明るさの変化を追ってみると、 11月10.236日 14.0等以下 19.241日 7.34等 22.179日 7.98等 24.269日 8.12等 となっています。光度変化が早い古典新星で見られるような変化です。 板垣さんは以前に撮影した画像を調査し、同じ位置に15等ほどの星があるこ とも報告しています。星のカタログを調べてみると、確かに15等程度の青い星 がほぼ同じ位置にあり、この天体が増光したのかもしれません。7等級の増光 幅は、矮新星にしてはかなり大きい部類ですが、古典新星のうち光度変化が早 いものとしては小さい値です。今後の分光観測や連続測光観測によって、天体 の素姓が解明されていくことが望まれます。 参考文献:CBET 2050 (2009 Nov. 26) 2009年11月26日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。