Subject: vsolj-news 228: SN 2009md in NGC 3389

                        VSOLJ ニュース (228)

                   近傍銀河にまたもや明るい超新星

                                        著者 :山岡均(九大理)
                                        連絡先:yamaoka@phys.kyushu-u.ac.jp

  星の一生の最期を飾る大爆発である超新星は、遠方の銀河を含めると毎年数
百個が発見されています。しかし、ひとつの超新星を詳細に観測して、新たな
知見を得られるような、近くて明るい超新星は、それほど多くはありません。
年間数個もあるかどうか、といったところでしょうか。そんな近傍の超新星が、
先月末(VSOLJニュース226)に引き続いて日本人によって発見されました。発見
したのは、山形市のベテラン天体捜索者、板垣公一(いただきこういち)さんで
す。

  板垣さんは、12月4.81日(世界時)に撮影した画像から、16.5等級の新天体を
見つけました。新天体の位置は、
  赤経  10時48分26.28秒
  赤緯 +12度32分02.8秒  (2000年分点)
で、しし座の渦巻銀河NGC 3389の中心核から、24秒角西、3秒角北にあたりま
す。板垣さんの発見画像は、http://k-itagaki.jp/images/psn-3389.jpg で見
ることができます。

  板垣さんが11月7.72日に撮影した画像では、同じ位置には18.0等級より明る
い天体はありませんでした。新天体は、宮城県大崎市の遊佐徹(ゆさとおる)さ
ん、埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さんによって確認され、超新星
2009mdの符号が付けられています。 

  この銀河には42年前に、Ia型超新星1967Cが出現し、13等級まで明るくなり
ました。今回の超新星2009mdがどのような変化を見せるか、スペクトルによる
タイプ判別を含め、これから楽しみが多い天体です。

参考文献:CBET 2065 (2009 Dec. 5)
                                                        2009年12月7日

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