Subject: vsolj-news 232: SN 2010B in NGC 5370 VSOLJ ニュース (232) 新年に自身初の超新星発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@phys.kyushu-u.ac.jp 新年のお屠蘇気分も抜けない時期ですが、今年日本人初の超新星発見が報じ られました。発見されたのは、広島市の坪井正紀(つぼい まさき)さんで、自 身初の超新星発見です。 坪井さんは、1月7.730日(世界時、以下同様)撮影の画像から、14.4等ほどの 明るさの新天体を見つけました。新天体の位置(坪井さんの測定)は、 赤経 13時54分08.7秒 赤緯 +60度40分50.4秒 で、おおぐま座のレンズ状銀河NGC 5370の中心から西に5秒角、北に9秒角ほど にあたります。1月8日(世界時。日本時間では9日未明)にはご自身に加え、埼 玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さん、山形市の板垣公一(いたがきこ ういち)さん、フィンランドのヘンツネン(Veli-Pekka Hentunen)さんによって 天体が確認され、超新星2010Bの符号が付けられました。 レンズ状銀河はあまり星生成が活発ではない銀河と考えられ、この種の銀河 に出現する超新星は誕生から爆発までに時間がかかる核爆発型(観測的にはIa 型)のものがほとんどです。発見時の明るさは、核爆発型超新星の極大近くに 相当します。今後の光度変化のフォローアップや、分光によるタイプ判別が楽 しみなところです。 参考文献:CBET 2115 (2010 Jan. 8) 2010年1月9日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。