Subject: vsolj-news 245: SN 2010gi in IC 4660 VSOLJ ニュース (245) 北の銀河に明るい超新星 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@phys.kyushu-u.ac.jp ほぼ全国的にいちどきに梅雨が明け、夏の天体観測も本番を迎えたところで す。そんななかいち早く、超新星が発見されました。発見者は広島市の坪井正 紀(つぼいまさき)さんで、今年1月の超新星2010Bに続いての発見です。母銀河 は比較的近いもので、これからの振る舞いが大いに楽しみです。 坪井さんは、7月18.514日(世界時、以下同様)に30cm望遠鏡で撮影した画像に、 15等台の新しい光点を見いだしました。5月に同じ機材で撮影した画像には写っ ていません。天体は、宮城県大崎市の遊佐徹(ゆさとおる)さん、カナダのドミ ニオン天文台のバラム(D. Balam)さんによって確認されました。天体の位置は、 赤経 17時21分46.1秒 赤緯 +75度50分45.4秒 (2000年分点) で(坪井さんによる測定)、こぐま座とりゅう座の境界(わずかにこぐま座側)に ある渦巻銀河IC 4660の中心角から東に3秒角、南に10秒角ほどのところにあた ります。 この銀河は、かなり私たちから近い距離にあると推定され、もし「核爆発型 超新星」であれば、発見時よりもさらに明るくなる可能性もあります。今後の 分光タイプの判別や、光度変化の追跡が注目されます。 参考文献:CBET 2376 (2010 July 19) 2010年7月20日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。