Subject: vsolj-news 247: SN 2010gz in NGC 599 VSOLJ ニュース (247) 夜半の空に超新星発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@phys.kyushu-u.ac.jp 月遅れ盆が過ぎても残暑が厳しい今年ですが、日本の新天体ハンターの壮挙 は止まりません。今回は、この季節は夜半に姿を見せるくじら座に、超新星が 発見されました。発見者は、広島市の坪井正紀(つぼいまさき)さんで、今年に 入って超新星2010B(VSOLJニュース 232)、超新星2010gi(VSOLJニュース 245) を発見されているのに続く活躍です。 坪井さんは、8月16.782日(世界時、以下同様)に撮影した画像から、16.0等 の新しい光点に気付きました。その位置は、 赤経 1時32分51.07秒 赤緯 -12度11分21.5秒 (2000年分点) で、くじら座のレンズ状銀河NGC 599の中心から西に40秒角、北に7秒角ほどの ところになります。光点は17.61日の観測でも確認されています。 母銀河は、星生成が不活発な銀河で、超新星が出現するとすれば大質量星起 源の重力崩壊型ではなく、星の誕生から爆発までかなりの時間を要する核爆発 型のものである可能性が高いと思われます。発見時の明るさも、この推定と矛 盾しません。今後のタイプ判別が待たれます。 なお、VSOLJニュース(246)でお知らせした天体は、分光の結果、やはりIa型 超新星であったことが判明し、超新星2010gvという符号が付けられました。 参考文献:CBET 2415 (2010 Aug. 17) CBET 2408 (2010 Aug. 12) 2010年8月18日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。