Subject: vsolj-news 251: SN 2010jo in UGC 595

                        VSOLJ ニュース (251)

                     北の公開天文台で超新星発見

                                        著者 :山岡均(九大理)
                                        連絡先:yamaoka@phys.kyushu-u.ac.jp

  杜の都と名高い宮城県仙台市には、1955年開台という日本有数の歴史を持つ
公開天文台「仙台市天文台」があります。2008年に移転リニューアルし、口径
1.3mの望遠鏡をはじめ、プラネタリウムや展示室を備えた施設です。この1.3m
望遠鏡を使って、超新星が発見されました。発見したのは同天文台の小石川正
弘(こいしかわ まさひろ)さん、長年天体捜索を続けており、小惑星を多数発
見されてきましたが、超新星の発見ははじめてです。

  小石川さんは、11月6.580日(世界時、以下同様)撮影の画像から、くじら座
の楕円銀河UGC 595に17.5等の新天体を見つけました。天体の位置は、
  赤経  0時57分35.60秒
  赤緯 -1度23分33.0秒 (2000年分点)
で、銀河の中心核から10秒角東、6秒角南にあたります。アメリカのチームに
よって10日に行なわれた分光観測で、天体は極大に近いIa型超新星であると報
告されています。

  公開天文台における超新星発見は、久万高原天体観測館の藤田康英さん、西
はりま天文台の内藤博之さん(当時)の例がありますが、東日本では初めてのこ
とになります。東日本にも公開天文台は多く、今後のさらなる活躍が期待され
ます。

仙台市天文台のページ  http://www.sendai-astro.jp/index.html
板垣さんの確認画像    http://www.k-itagaki.jp/images/psn-ugc595.jpg

参考文献:CBET 2543 (2010 Nov. 11)
                            2010年11月11日

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