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きりん座 は,北斗七星を小型にしたようなこぐま座 と,冬の天頂近くに輝くぎょしゃ座 の0等星カペラの間の大きな範囲に横たわる星座です。
しかし,広い星域に4等星以下の星がパラパラと散らばっている上,ペルセウス座 との境界あたりを冬の銀河が流れているため微光星も多く,星を結んでキリンの姿を想像するのは,なかなか大変かもしれません。
北極星とカペラを結んで,その真ん中あたりにあるお腹の星を探し,そこから丁寧にたどってみてください。星図に示されていない頭の星は,5.3等星です。
もし探し出すことができたなら,一年中北天に見えているキリンさんは,きっと星を見上げる楽しみに花を添えてくれると思います。
きりん座 は,ケプラーの養子として知られるヤコブス・バルチウスが17世紀前半にらくだ座 として制定したものです。
しかし,ラテン語のラクダ(Camelus)とキリン(Camelopardalis)が似ていたため混同され,17世紀後半のヘベリウスによる星図では首の長いキリンが描かれています。そして,その後もラクダに戻ることなく今に至っている星座です。
バルチウスは,『旧約聖書』で,アブラハムの息子イサクのところへ,美しい未来の妻リベカを運んできたラクダ(創世記25章)の姿を,ここに描いたのだと言われています。