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みなみのかんむり座 は,4等星と5等星ばかりの小星座で,南中高度も低く,都市部の空で探すのは難しいかもしれません。が,明るさと形が整った星座ですから,暗く開けた空の下でなら,さそり座 の尻尾の東,いて座 の南斗六星の南に,すぐに見つけることができるでしょう。
古い星座の一つで,プトレマイオスは,この星座のことを「南のリース」と呼んでいます。
多くの書物はこの星座の神話を伝えていませんが,大神ゼウス(ローマ神話のユピテル)ととテーバイ王カドモスの娘セメレとの間に生まれた豊穣とぶどう酒の神ディオニュソス(ローマ神話のバッコス)が,ゼウスの妻ヘラ(ローマ神話のユノ)の策略で世を去った母セメレの名誉のために飾った花輪が,みなみのかんむり座 であるといいます。
南の空低くひっそりと,しかし可憐に輝くリース。ぜひ探してみてください。
みなみのかんむり座 の星の名前については星のるつぼをご覧下さい。
なお,みなみのかんむり座 の学名は Corona Australis と記されることも多いようですが,このページでは文部省編『学術用語集・天文学篇』(1974)に採用された Corona Austrina で表記しました。