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いるか座 は,天の川の東岸,わし座 が伸ばした右の翼の先に位置する小星座です。4等星ばかりの星座ですが,小さな菱形はよく目立ち,古くから世界各地で注目されてきました。地中海に多く住むイルカの姿が天の川のほとりで星座になっているのも,ごく自然な話とうなずけます。
いるか座は,西洋では旧約聖書ヨブ記にちなんでヨブの棺に,中国では瓜畑に見られ,日本には“菱星”という和名が知られています。
ギリシア神話においては,イルカは海神ポセイドンの使者。ポセイドンと妻アンフィトリテの仲をとりもった功績で星座にあげられたとされています。
いるか座 には,このほか紀元前7〜6世紀頃に実在したといわれるギリシアの音楽家アリオンと結びつけた逸話が残っています。
アリオンは,シチリア島で開かれた全ギリシアの音楽コンクールに出場して優勝しましたが,その帰り,彼を殺して賞金を奪おうとした船乗りたちによって船を追われます。死を覚悟して海に飛び込んだアリオンでしたが,彼が最後に奏でた琴の音に聞き惚れていたイルカたちによって助けられ,故郷のレスボス島に送り届けられたのでした。
いるか座 の星の名前については星のるつぼをご覧下さい。