いるか座 (Del, Delphinus)

最終更新:1999-02-06

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いるか座
(StallaNavigator AstroArts ASCII)

和名 : ひしぼし(菱星), ひぼし(梭星)

 いるか座の四つの星は暗いけど目立つ存在で,雛祭りの菱餅に似ていることからヒシボシ(菱星)と呼ばれていた。ヒシボシがなまって“ヘシボシ”“シシボシ”と呼ぶ地方もあり,また“ヒシガタボシ”“フクボシ(福星?)”という名も見つかっている。菱形から来た名前としては,他に,納豆を入れるわらづとに見立てたツトボシ(包星)もある。

 ヒボシ(梭星,杼星)の方は熊本・鹿児島あたりで知られる名前で,ヒシボシがなまったものではなく,織り姫が投げた梭(=杼:ひ。機織りで横糸を通すために使う舟形の付属具)のことである。彦星が怠け者で遊んでばかりいたので,織り姫が怒って梭を投げたという逸話が残っているらしい。一説では梭は火星(火ぼし=梭星)になったとも伝えられる。

主な星

アラビア語の英語表記: アルファベット下のドットは"."で,母音の長音符は直後に"_"を付記し,代用
星名一般名意味派生和名光度スペクトル距離絶対等級
αスワロキンSvalicin人名イタリア
3.77B9*270
βロタネブRotanev人名イタリア
3.58F5*68
γ1
γ2





5.14
4.27
F7*
K1*
110

光度: Yale Catalogue of Bright Stars, (3nd edition)
スペクトル: 
 * Yale Catalogue of Bright Stars, (3nd edition)
 ** Yale Catalogue of Bright Stars (4th edition, Hoffleit,D.and Jaschek,C.1982, Yale University Observatory)
 *** A List of MK Standard Stars (Garcia,B.1989, Bull.Inform.CDS,No.36)
距離および絶対等級: 『星座ガイドブック』誠文堂新光社,『星百科大事典 改定版』地人書館より抜粋。データが古いため参考までに。

【コメント】
α星とβ星のスワロキンロタネブは,1814年のパレルモ星表で初めて登場した名前。イタリアのパレルモに住んでいた天文学者ピアッツィが,助手のニコラウス・ベナトル(Nicholaus Venator)の名を姓と名に分け,さらに各々の綴りを逆さまにして読んだものを命名してつけた。
 ちなみに,このピアッツィは,1801年01月01日に,最初に最大の小惑星ケレスを発見したことで有名。




変光星

GCVS (General Catalogue of Variable Stars) より
変光星名変光星型光度範囲周期スペクトル備考
RM7.6-13.8285.07M5e-M6e
USRB7.6-8.9 P110M5II-III

【変光星型】 M:ミラ型, SR(b):半規則的変光星 
【スペクトル型の前後の記号】 接尾記号 e :スペクトルに輝線あり
【光度範囲】 P:写真等級

★ いるか座の探し方については,星座入門いるか座 をご覧下さい。




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