ロンドン旅行記 ★ 往路(5)

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参考文献

5. ヒースロー空港 到着(2008-05-21)

ヒースローに降り立ったJA732J Boeing777-346ER

 ヒースロー空港には5つのターミナルがあるが,JALが利用するのはターミナル3。全日空やアメリカン航空,ユナイテッド航空,エア・カナダ,スカンジナビア航空,エア・インディア,タイ国際航空,マレーシア航空,大韓航空,中国国際航空,キャセイ・パシフィック航空,ニュージーランド航空,エジプト航空,トルコ航空等々,各国を代表するエアラインが勢揃いする大きなターミナルだ。
 我らがJA732Jが目指すのは335番スポットで,ターミナルへ向かう飛行機の中からは,ブリティッシュ・エアウェイズは勿論のこと,ヴァージン・アトランティック,エア・リンガス,アラビア文字を書いた中東の航空機,そのほか見たことない飛行機が目白押し。飛行機好きにはたまらないシチュエーションだが,離着陸時はデジカメも使用禁止で写真は撮れない。

 着陸は予定より15分早めの16時20分だったが,飛行機を降りたのはほぼ定刻の16:34だった。隣のスポットにはANAのB777-381ERが停泊しており,偶然にも同じ732のレジスターを持つJA732A。JALとANAのB777-300ERが並ぶ姿は,海外の大きな空港でしか見られない光景である。
 JA732Jよ,さようなら。
 CAさんたちに見送られ,半日の往路を過ごした飛行機に別れを告げた。

 さて,飛行機を降りたからには急がなければならない。空港のサインに従い,他の乗客をどんどん追い越しながらイミグレーションへと向かう。
 おそらく本日出発する関空行きであろう,日本国内ではほぼ間違いなくお目にかかる機会がないJALのワンワールド塗装 B777-246ER(JA704J)が,少し遠いエプロンに停泊しているのが着陸時から見えていたが,その飛行機の前もやがて通り過ぎ,広いターミナルを延々と歩いた。
 そして突然,細い通路で歩くことができなくなった。イミグレーション・ホールが大混雑していて入り口に辿り着く前から入国審査の列が始まっていたのだ!

※写真をクリックすると大きな写真が見られます。

ヒースロー空港 ターミナルの移動

Camera: Panasonic LUMIX DMC-FX33
JA732Jを降りたところ 335番スポット周辺 JALのワンワールド塗装機 JA704J
ターミナル内移動

 列は遅々として進まず,イミグレーション・ホールへ入るだけでも既に20分ほどの時間を要し,かなり絶望的な状況だ。並ぶ我々の横を涼しい顔ですいすい通り過ぎてゆく人たちは,ファーストクラス利用者,UKパスポート所持者,EU諸国&スイスのパスポート所持者たち。我々は「other」という分類なのだった。
 後ろからも続々と入国を待つ人々が到着し,列はどんどん長くなる一方。飛行機で近くの席に座っていた乗客がかなり後ろの方に並んでいるのを見かけ,やはり急いで正解だったと思ったが,ホールに入ると列はグループとグループ外に分けられた。ツアー客はグループでまとめて審査を進めるが,我々個人旅行者は入国後どこで何をするか分からないのでしっかりチェックということなのだろう。なるほど,自由度が低い代わりに,ツアー旅行にはこんなメリットがあったのだ。

 ツアー旅行者らと分けられた後,ひたすら列を並び続けて約2時間。途中で子供の泣き声が聞こえ,ほどなく,子供連れの個人旅行者優先の列が作られた。当然の配慮だろう。大人の我々でさえ限界に近いつらさなのだから。
 退屈で足腰も疲れ,とっくに出てターンテーブルを回り続けているであろうスーツケースの無事が心配だった。

 何もすることがないので,同じ列に並んでいる,人々の服装を見て時間をつぶし,やがて周辺で並んでいる人たちの姿もすっかり覚えてしまう。アフリカや中東の人が多いところが,さすがヨーロッパという感じ。
 私たちの前には飛行機を出た頃から前を歩いていた背の高い白人男性と,グループ旅行者と分けられた時に「ここに並んでいい?」と私たちに尋ねて入ってきた背の低い中東人っぽい顔立ちの男性が並んでいて,二人がそこにいる経緯からして偶然横にいるだけの他人であることは明らかだったが,あまりに長い間隣に並んで進んでいた彼らは,やがて少しずつ話をするようになっていた。
 私たちの後ろには日本人女性が並んでいたが,彼女は携帯電話で話してばかり。しかも声が大きい。彼女以外にも待ち時間に携帯電話を使っている人を何人も見かけたが,日本人が多くて恥ずかしかった。ホールには「Mobile phones can not used in the Immigration hall.」という表示が出ているのだ。まさかこれくらいの英語が分からないわけではあるまい。外国では一人一人が国を背負っているのだから,是非とももっとマナーに注意を払って欲しいものだ。

 ようやく前の背の高い白人男性が呼ばれ,次に背の低い中東系の男性が呼ばれ,私たちの番がやってきた。家族や友人同士は一緒に審査を受けられる。
 入国審査官の女性は,ガムをかみながら,かなり投げやりな口調で,滞在場所と滞在日数,我々二人の関係を聞いてきた。そして「向こうへ行け!」とばかりにパスポートを放り出した。
 「もう少し愛想良く丁寧にできないのか!?」と思ったが,ともかく待たされた挙げ句の審査はあっという間に終了。審査官の勤務態度に呆れながら,階下の Baggage claim area へ向かって急いで階段を降りた。スーツケースの無事が心配だった。

 しかし,広い Baggage claim area のどこを探しても,「JL401」とか「TOKYO」などという文字は見あたらない。到着から既に2時間が経過しており,JL401便のターンテーブルはとっくに終了していたのだ。
 私に手荷物を預けてNtoさんがスーツケースを捜しに出かけ,しばらく待った後,ようやく戻ってきた。探し回って,そのあたりに放り出されていたスーツケースを見つけたとのこと。
 Ntoさんのスーツケースにはドアサイドのタグがつけられるため,飛行機を出るのは一番最初。入国がスムーズに済めばさっさとスーツケースを受け取って空港を出られるわけだが,今回は,スーツケースは受取手が来ないまま最も長い間ターンテーブルで回り続け,挙げ句の果てには放り出され,「ドアサイド」タグが仇になってしまった。ともかく無事でよかった!

 スーツケースのチェックを受けて手荷物受取所を出るため claim tag を準備したが,最近は手荷物の確認も税関検査もないのが普通なのか,出口には確認の人もおらず,ノーチェック。誰でも勝手に荷物を持って行ける状態だった。
 こんなんで何も問題は起こらないのだろうか(^^;!? 荷物が無事に我々の手に戻ってきて本当に良かったと,再び心から胸をなで下ろしたのだった。

 兎にも角にもこれでやっと自由の身! 4日あまりのロンドン生活が始まった。
 疲れていたが,ようやく少しだけ開放的な気分になって,我々は地下鉄を目指した。

 ヒースロー空港からロンドンまでの移動は,ロンドン中心部のパディントン駅までを15分で結ぶヒースローエクスプレス,ピカデリーサーカスまで45分で行ける地下鉄ピカデリー線,バス,タクシーの4種類の方法があるが,ヒースローエクスプレスは片道£17.5(約3,700円)と高額。特別急ぐ必要もない私たちは,地下鉄「Underground」のマークを目指して歩いた。
 しかし,手荷物を受け取って地下鉄に乗るまでの道のりがまた長い。動く歩道が連なる地下通路を10分くらい歩いた。


※写真をクリックすると大きな写真が見られます。

ヒースロー空港 地下鉄乗り場へ

Camera: Panasonic LUMIX DMC-FX33
荷物を受け取って 地下鉄乗り場へ続く長い通路(1) 地下鉄乗り場へ続く長い通路(2)

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外部リンク
 ・JAL国際線 - ヒースロー国際空港 (空港情報)
 ・BAA Heathrow: Welcome to Heathrow Airport | Parking (ヒースロー空港 英語)
 ・BAA Heathrow: ロンドン・ヒースロー空港 (LHR) (ヒースロー空港 日本語)
 ・Home | Transport for London (ロンドンの交通)
 ・Heathrow Express - Home Page (ヒースロー・エクスプレス)



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