ロンドン旅行記 ★ キュー・ガーデンズ(14)

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参考文献

14. テンペレート・ハウス (Temperate House, 2008-05-23)

Temperate House /FinePix S2 Pro

 テンペレート・ハウスは世界最大の室内植物(Jubaea chilensis,チリヤシ)が植えられている世界最大の温室で,ヴィクトリア時代の1899年に完成した。建築家はパーム・ハウスと同じデシマス・バートンである。

 曲線が特徴であるパーム・ハウスに対し,こちらはシャープな直線がモダンな印象を与えており,当初は木製だったフレームはアルミに変えられているものの,細部に至る美しい装飾には風格が漂っている。
 中に集められてるのは,その名の通り温帯気候で生息する植物たちだ。

 エントランスへ続く100mほどの真っ直ぐな道 Cherry Walk を歩いてテンペレート・ハウスへ近づいていくと,温室とは思えぬ佇まいに圧倒される。


※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。

Temperate House

Panasonic LUMIX DMC-FX33
Nikon D200
Fujifilm FinePix S2 Pro
テンペレート・ハウス入口 /Nikon D200 テンペレート・ハウス入口 /Nikon D200 Cherry Walk /D200
Entrance of Temperate House /S2 Pro Temperate House /S2 Pro Temperate House /D200
Temperate House /D200 explanation of The Rice-paper Plant /Lumix FX33 The Rice-paper Plant /Lumix FX33

The Rice-paper Plant(カミヤツデ:紙八手)

 この木(Tetrapanax papyrifer )はライス・ペーパー(薄い上質紙;通草紙)を作るのに使われる。

 紙は木髄から作られる。中国では玩具や花を作ったり,絵画や外科手術ニモ使われる。異なっているように見えないが,アイビー(Araliaceae)と同じ仲間である。この大きな常緑樹は5m〜10mの高さに育つ。
 台湾や中国南部に自生し,現在では多くの熱帯・亜熱帯地域で見られる。


 "papyrifer"は"paper-bearing"という意味である。本物のライス・ペーパーは米の澱粉から作られ,中国では絵画に用いられる。食べられるライス・ペーパーは度々カミヤツデから作られる。


 Cherry Walk の正面にあるエントランスの上には「North Wing 1899」と書いた銘板が取り付けられており,そこを入って進んでいくと,「North Octagon 1861」と書かれた八角形の部屋へ続く。
 この八角形の部屋が,テンペレート・ハウスで最初に完成した部分なのだろう。


Temperate House /D200 North Octagon 1861 /D200 North Octagon /S2 Pro
Temperate House /D200 Temperate House /D200 Temperate House /S2 Pro
Temperate House /D200 Temperate House /D200 Temperate House /FX33
Temperate House /D200 Temperate House /D200 Inside of Temperate House /D200

 中には所々にベンチが置かれ,パーム・ハウスと同じように階段があって上から植物を見下ろすこともできるようになっている。


Inside of Temperate House /D200 Inside of Temperate House /Lumix FX33 Inside of Temperate House /D200
Inside of Temperate House /S2 Pro Inside of Temperate House /D200 from the window of Temperate House /D200
Inside of Temperate House /S2 Pro from the window of Temperate House Lumix FX33 Inside of Temperate House /D200

 南側の窓からは,遠く,パゴダと呼ばれる六角形の十重塔も見えている。キューガーデンズの観光写真には必ず載っている塔なので近くで見てみたかったが,テンペレート・ハウスの南端からパゴダまでは300mくらいの距離がある。
 パゴダはこの窓から見るだけでとどめることにした。


Inside of Temperate House /D200 from the window of Temperate House /Lumix FX33 Pagoda from the window of Temperate House /D200
inside of Temperate House /D200 inside of Temperate House /S2 Pro Iside of Temperate House /Lumix FX33
inside of Temperate House /D200 inside of Temperate House /S2 Pro Inside of Temperate House /D200
inside of Temperate House /S2 Pro Temperate House /S2 Pro Inside of Temperate House /Lumix FX33
inside of Temperate House /Lumix FX33 Temperate House /S2 Pro Temperate House /D200

 世界一の広大な温室だというのに,私たちがテンペレート・ハウスの内部にいた時間は15分弱。午後2時を回ろうとしていたうえ,雲行きも怪しくなってきた。
 まだそれほど急ぐ必要な無いにしろ,そろそろゆっくりと帰り支度をすべきだろう。

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外部リンク
 ・Home | Transport for London (ロンドンの交通)
 ・Royal Botanic Gardens, Kew: Home Page (キュー・ガーデンズ)


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