★参考文献
|
かつて,国際線のビジネスクラスに乗ったことはあった。1998年2月,マイアミからアルバへの3時間半をアメリカン航空のB757で。また2000年1月,福岡−上海間の1時間40分を中国東方航空の小さな飛行機で。
だが,JALの長距離路線は別格だ。
エグゼクティブクラスのシートに乗っての復路は,この旅のハイライトだった。
そう,ファーストクラスに乗るなんて生涯に渡ってあり得ない。すると,成田−ロンドンをこのシートの上で過ごすことは,一生ものの贅沢な経験ということになる。
クレードル型の広々とした座席の間には,ちょっとした物を置ける台があり,前のポケットにはハンガーと靴べら付きのスリッパ,ノイズキャンセリング機能つきヘッドフォン。機内誌などはポケットではなくシートの間のマガジンラックに入っている。
今回は夏の軽装だったので必要なかったが,コートやジャケットがあれば,このシートナンバー付きハンガーにかけて,機内のクロゼットに保管しておいてもらえるのだ。
シートは足から腰,背中まで細かく設定できるマッサージ機能付き,フットレストは高さも角度も自由自在に変えられる。これだけのことで足の疲れがぜんぜん違うのには驚いた!
皆が席について落ち着くと,アメニティの配付やキャビンジャケットの貸し出しサービスが始まる。アメニティは,アイマスクに歯ブラシ,アイリフレッシャーなど立派な品々。キャビンジャケットというのは,要するに機内で着るカーディガンのようなもの。せっかくなので一応借りておいた(^^;。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。
JL402便 機材は Boeing777-346ER(JA736J,2006/08/22登録) Panasonic LUMIX DMC-FX33
| ||
悪天候だったため,ウェルカムドリンクのサービスが始まったのは,離陸から1時間半も経ってからだった。
シャンパンを頼んだが,プレミアムエコノミーでは瓶とプラスティックのコップだったのに対し,こちらはテーブルに白いナプキンが敷かれ,ガラス製のシャンパングラスに注いでもらえる。もちろん,グレードもこちらの方が高い。ワインジャーナリストの有坂芙美子氏が厳選した銘柄なのだそうだ。シャンパンは,「シャンパーニュ・ピペ・エドシェック」で,軽やかさと華やかさを兼ね備えたフルーティなシャンパンだとのこと。
お摘みもお皿に乗った小鉢つきで高級感がある。
ドリンクサービスが遅れたため,飲み終わる間もなく食事の時間になってしまい,少々残念。メニューは洋食と和食があり,洋食は牛フィレステーキ又は鮃のフライ。日本発の便なら和食もよさそうだが,ロンドン発の便なので,ここは洋食にしておこう。
私が鮃にパン,Ntoさんがビーフにご飯を注文することにした。注文が決まるとシートの後ろにシールが貼り付けられる。間違えた食事を出さないための識別だが,ちょっと可愛らしいデザインだ。
パンは2種類どちらも美味しそうなので思わず手を出してしまったが,おかげでデザートのケーキを食べることができなくなって大失敗!? 欲張りは禁物である。ご飯は機内で炊飯した炊きたてで,ふり掛けつきだった。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。
離陸後最初の食事が終わると水が配られ,エグゼクティブクラスの決められたミールサービスはこれで終わる。あとはメニューを見て好きなときに好きな物を注文するという仕組みだ。エコノミークラスと違ってエグゼクティブクラスの少ない乗客に対しCAさんが4人もついているため,注文も遠慮無くお願いできる。
ただ,メニューには食事も飲み物も美味しそうなものが目白押しなのだが,機内で過ごす時間は限られているため,そうそう食べられるものではないのが残念なところ(^^;。
到着の2時間前に,私はアイスクリームと無農薬カモミールハーブティー,そして玄米塩おにぎりを注文し,Ntoさんは鮭茶漬けとウーロン茶ブレンドを注文した。
本当は和朝食セットなど食べてみたかったのだが,お腹に余裕が無く残念!
さて,国際線には国内線とは違った機内販売の楽しみがある。月限定や路線限定の品物もあり,往路の飛行機の中からチェックしていた。
まずできれば購入したかったのが,5月の路線限定販売の「森伊蔵」。メーカーに直接注文できるが競争率1000倍とかで滅多に手に入れることができずネットオークションで1本2万円とかの高値で取引されている芋焼酎らしい。私もNtoさんも芋焼酎は飲まないが,お土産に最適だろう。これを2本!
そして,旅行直前にお気に入りのペンダントが壊れて落胆していた私は,旅行の記念になり,壊れたペンダントの代わりになるものが欲しかった。デザインを見て一目で気に入ったのがスワロフスキー カラット ペンダント。首が細い私には少々長すぎたが,これを買うことに。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。
JL402便からのお土産 Panasonic LUMIX DMC-FX33
| ||
買い物ついでに,CAさんにお願いしたのが,この飛行機の絵葉書だった。B777-300ER は長距離国際線専用。乗ったのは初めてだったし,もう当分乗ることもないだろう。
が,持ってきていただいた葉書は B777-200 (JA8984)。JASと統合前の昔はスタージェット“ベテルギウス”として活躍していた国内線用旅客機だ。以前,MD-81に乗って葉書をもらおうとしたらMD-90しか無くて,「81が欲しいんですけど」と言って探して貰ったけれど90しか無かったという経験もあって,おそらく300ERの葉書は無いのだろうと思ったが,一応だめ押しで聞いてみた。
「B777-300ERの葉書が欲しいんですけど」
対応して下さったCAさんは,キャプテンに聞いてみますと言い残し,随分経ったのち,300ERの葉書は無かったけれど,キャプテンからといって,機長とコ・パイのサイン入りDC-10のカード,JALの飛行機のシール,B777-200のステッカーと絵葉書2枚を持ってきてくれた。多忙な業務の合間に「300ERが欲しい」などと注文をつける飛行機好きが喜びそうなものを準備して下さったのだろう。
DC-10って,退役前に新JAL塗装になった子がいたのねー。
CAさんにも機長さんにもお手数をかけてしまったが,素敵な記念品ができたのだった。
ヨーロッパからの帰路は,夜を抜ける旅になる。
ヒースローを飛び立ったのは19時,英国ではまだ十分に明るい時間帯だったが,如何せん,天気が悪い。かなり北上するまでヨーロッパの大地を見ることはできなかった。
夜といっても,北極圏に近い夏の太陽は地平線付近に留まって,完全に暗くなることはない。ポートサイドの12A席からは,見え隠れする太陽と黄昏のような赤い雲が見えていた。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。
飛行機からの風景 Panasonic LUMIX DMC-FX33
| ||
外部リンク
・JAL国際線 - エグゼクティブクラス(搭乗クラス別サービスのご案内)