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2008年3月15日のダイヤ改正で廃止となった寝台特急「なは」。ラストランの3月14日,熊本駅で記念写真撮影会と記念出発式が行われた。
出発式は19:30〜20:15の予定で,「なは」の由来である沖縄県の伝統芸能が披露され,一日駅長の太田黒浩一氏が最後の出発合図をとる,というもの。こちらは無理だったが,同日12:40〜14:10に熊本駅0番のりばホームで行われた写真撮影会へ行って来た。
あかつき号と併結運転する前の,私がよく乗っていた頃のヘッドマークも準備されるということだったので,懐かしいデザインのヘッドマークに再会できることも楽しみだった。
しかし,当日は朝から雨。しっかりした雨。予報通り昼には雨が上がったが,撮影会は始終曇り空の下だった。
お昼を過ぎて雨は止んだものの,空はかなり暗い。少しでも時間が遅い方が明るい光を得られるだろうと思った私は,13時半頃,熊本駅に到着した。 自販機で入場券を買い,改札を通る。 |
おそらく…ホームには鉄ちゃんが溢れ,「なは」に近づくのも困難だろう。
私の予想は大外れ!
確かにヘッドマークの周辺に人が集まっているものの,他のホームと変わらないか,むしろ他のホームより人が少ないくらい。ヘッドマーク周辺以外に至っては自由自在に撮れそうだ。こんなに人が少ないんだったら三脚を持ってくるんだった! 同時に廃止される急行「銀河」は大騒ぎなのに,「なは」は人気ないの(^^;? まぁこれが,東京−大阪という日本の中枢都市を結ぶ列車と,中央から遠く離れた地方と地方を結ぶ列車の違いなのだろう。
そして,とうとう発車時刻がやってきた。
何度も何度も寝台列車の座席で聞いた懐かしい警笛音,旅情を誘う少し寂しい音色の警笛音が鳴り,14時14分,「なは」は記念撮影会の0番ホームを静かに発った。夜のラストランまで,熊本駅の車庫で一休みするために。
本当に,さようなら。ありがとう。
1968(昭和43)年に運行開始した「なは」は,沖縄返還への願いを込めて名付けられ,九州と関西を結んで走り続けた。既に,1972(昭和47)年5月の沖縄返還からも36年の月日が流れている。 ヘッドマークは那覇市の「ゆいレール展示館」に展示されるとのこと。決して忘れられないこの「なは」のヘッドマークと,いつか再会できるだろうか。 | |
20時14分発,寝台特急「なは」が載った時刻表。 |