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おひつじ座 は,さんかく座 の南に位置する小さな星座です。
それほど目立つ星座ではありませんが,現在はうお座 に移っている春分点が2000年前にはこの星座にあったため,黄道十二宮の第一宮として重視されてきました。
おひつじ座を探すには,まず2.0等のα星を見つけます。
α星ハマルはこのあたりで一番明るい星ですし,ペガススの四辺形の北の辺を東に伸ばした位置にある2つの2等星,アンドロメダ座 β星,γ星と正三角形を描いていますから,迷わず探すことができるでしょう。
α星の近くに輝く3等星がβ星で,αとβが羊の角の付け根にあたります。そして,おうし座 の方へ伸びるδ星が,羊の尻尾。星が少ないので,うんと想像力を働かせて羊の姿を思い描いてくださいね。
下の星図の白い+印は,おひつじ座 が南中した頃の天頂の位置になります。南中の頃は,かなり高くのぼる星座です。
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ギリシア神話によると,おひつじ座 は,巨人族に襲われた大神ゼウスが変身した姿。
また別の神話においては,継母に殺されそうになった兄妹を救うためにゼウスが伝令神ヘルメスに命じて送った空飛ぶ金色の羊。妹は空から落ちて死んでしまいますが,兄は無事に黒海の岸コルキスへたどりつき,コルキスの王アイエテスに金毛の羊を献上します。
アイエテスは貴重な羊毛に眠らぬ竜を番人につけますが,やがて,アルゴ船に乗った勇者たちが金毛の羊をとりにくるという物語へと発展していきます。
おひつじ座 の星の名前については星のるつぼをご覧下さい。