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晩秋の宵,南の地平線すれすれに見られるつる座 は,17世紀になって,ドイツの天文学者ヨハン・バイエルが,オランダの航海士ペトルス・テオドリ(1596年没)の手記を参考に設定した星座です。
位置はみなみのうお座 の南で,大航海時代に初めて南天の星空を見たスペインの航海士たちによって“フラミンゴ座”と呼ばれた星列でした。
つる座 は南の空低いため,南の地平線まで見渡せるような空が開けた暗い場所でしか見ることができません。下の星図には東京における南中時の地平線の位置が示されていますが,九州へ行けばもう少し見やすくなり,北海道の札幌市まで行けば,α星もβ星も地平線上に現れません。
つる座 をさがすときは,まずペガススの四辺形(ペガスス座 )を見つけ,西の辺を南へ伸ばしてみなみのうお座 のフォーマルハウトを確認します。フォーマルハウトの南に並ぶ2個の星を見つけたら,それが,つる座 のαとβ(2等星)です。αは1.7等で2等星の中でも明るい方ですが,残念ながら低すぎて大気により減光されてしまいます。本来の明るさを楽しむには沖縄県まで南下しないと無理でしょう。
南の空低いゆえに馴染みにくい星座ですが,つる座 は南天の星座の中では特に明るく形も整った美しい星座です。機会がありましたら,ぜひ,フォーマルハウトの南に注目してみてください。
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つる座 の詳しいお話は,星の停車場を,星の名前については星のるつぼをご覧下さい。