※転載・複製は,一切お断り致します。 |
火星は,だいたい2年2ヶ月(780日)ごとに地球に接近します。
けれど,地球の軌道がかなり円に近いのに対して,火星の軌道はかなり楕円であるため,火星軌道上のどの位置で衝を迎えるかによって,同じ衝でも火星と地球との距離は大きく違ってきます。
これが,大接近とか中接近とか小接近とか呼ばれるものです。
図をよく見てみましょう。
火星がその軌道上で遠日点(太陽から一番離れる位置=地球からも一番遠い)を通過するのは,地球の2月下旬,近日点(太陽から一番近い位置=地球にも一番近い)を通過するのは8月下旬で,地球と火星の距離は,近日点付近と遠日点付近では2倍くらい違っていますね。
当然,私たちが見る火星の視直径にも大きな違いが出てきます。
つまり,地球の8月〜9月頃に火星が衝を迎えると大接近になり,地球の2月〜3月に衝を迎えると,小接近になるというわけです。
具体的にどれくらい違っているかといえば,大接近だった1971年の視直径は24".9,1988年は23".8だったのに対して,小接近だった1980年ではたったの6".9。
こんなにも違うのですから,大接近は見逃せませんね。