冥王星が近かった20年間

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 1999年2月9日20時頃??,あるいは2月12日1時半頃??冥王星が海王星軌道の外側へ出て行った。本によっては3月となっていたりするので,正確なところはよくわからないが,とにかくこの1ヶ月の間には,冥王星は再び海王星軌道より遠いところへ行ってしまうのだ。

 『天文年鑑』で調べると,冥王星が海王星軌道の内側に入り,海王星が太陽系最果ての惑星となったのは1979年1月22日。当時,太陽系9惑星の覚え方“水金地火木土天海冥 (すいきんちかもくどてんかいめい)”が崩される! ということで話題になった。
 冥王星は,その10年後の1989年9月に近日点を通過し,さらに10年かかって再び海王星軌道まで達したのだ。1979年には「惑星の順番が..」と騒がれていたのに,この20年の間に,冥王星は惑星としての地位さえ失うところだったと思うと時の流れを感じてしまう。

 ちなみに,1979年の『天文年鑑』を見ると,冥王星が再び海王星軌道の外側へ出ていくのは1997年5月28日となっている。2年近くも予報がずれたようだ。当時は,今以上に正確な計算要素が確定していなかったのだろう。
 1979年は,国公立大学共通一次試験が開始され,静岡県の東名高速・日本坂トンネルで火災のあった年。天文界では,太陽黒点のサイクル21が極大を迎え,木星の環が発見され,スカイラブ(SKYLAB)落下騒ぎがあった。




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