筍梅雨・青嵐・メイストーム
茅花流し・走り梅雨・卯の花腐し

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 風薫るさわやかな五月ですが,実は雨が多い季節でもあります。このため五月の天気用語は,雨と風の言葉がいっぱいです。

薔薇の花の写真

筍梅雨(たけのこづゆ): タケノコが出てくる4月〜5月に吹く南東の風のことで,菜種梅雨と同じように,伊勢・伊豆の船乗りの言葉でした。このように,天気の言葉には“風”“雨”の両方の意味を持つものが沢山あります。

青嵐(せいらん・あおあらし): 青葉の頃に吹く爽やかな風のこと。薫風(くんぷう)とも言います。

メイストーム: 5月頃,日本海から北海道近海にかけて発達する低気圧がもたらす嵐のことで,1954年5月9日〜10日にかけて死者・行方不明者758人を出した嵐を“メイストーム”と呼んだのが始まりです。春一番の頃は主に日本海南部で発達する低気圧も,この頃になると暖気の北上に伴い,日本海北部で発達するようになります。

茅花流し(つばなながし): 陰暦4月〜5月,茅花(つばな:チガヤの花)の綿がほぐれる頃に吹く南風のこと。昔,日本ではチガヤのつぼみを食用にしていました。チガヤは,花が終わると白い綿毛を伸ばします。

走り梅雨(はしりつゆ): 5月下旬頃,数日間ぐずついた天気が続く雨で,梅雨の前ぶれ梅雨の走り・前梅雨・迎え梅雨とも言います。

卯の花腐し(うのはなくたし): 咲いている卯の花を腐らせてしまうことからついた,走り梅雨の別名。この頃の曇りを4月の花曇りに対し卯の花曇り,この頃訪れる寒さを花冷えに対し若葉寒と呼びます。


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