スイセン(水仙,daffodil, Narcissus

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水仙の写真
【花言葉】
白(クチベニスイセン): うぬぼれ,我欲,自己愛
黄(キズイセン): 愛情に戻ってほしい
黄(ラッパズイセン): 尊敬,片想い
黄(ダフォディル): 報われぬ恋

 早春とも呼べぬ1月〜2月頃,まるで春の先駆けのように花の香を漂わせるスイセンは,ヒガンバナ科の多年草で原産地はヨーロッパ。遠い昔,中国を通じて日本へ渡ってきたとされており,“水仙”の名は平安時代や室町時代の書物などに残されています。
 スイセンは古代ギリシアの詩に現れるほか,エジプトでは2000年以上昔の花環も発見されており,北アフリカ〜ヨーロッパ方面では古くから育成され親しまれていたことがわかります。

 スイセンには有名なギリシア神話が知られています。
 美少年ナルキッソス(フランス語でナルシス)は,森のニンフ,エコー(山びこ)に愛されますが,エコーは女神ヘラによって自ら話す能力を奪われており,人が話す言葉を繰り返すだけ。ナルキッソスに顧みられることもありませんでした。
 エコーは悲しみのあまりやせ細って声だけの存在となり,これを哀れんだ復讐の女神ネメシスによって,ナルキッソスは泉へ映った自分の姿に恋するようになってしまいます。泉から離れられなくなったナルキッソスは,そこに佇んだままやがて1本のスイセンに姿を変えたというわけです。
 スイセンの属名ナルキッススも,心理学で自己愛に対して使うナルシシズムという言葉も,このナルキッソスから来ています。


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