Fruit Moon

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 日本では,古来から旧暦8月15日の満月のことを“中秋の名月”“十五夜”などと呼んで愛でてきました。
 中秋の名月は "Harvest Moon" と英訳されますが,"Harvest Moon" は“秋分に一番近い満月”を呼ぶ名前で,正しくは“収穫月”です。

 "Harvest Moon" は現在でもよく使われている言葉ですが,英語には,今ではあまり使われなくなった様々な満月の名前があり,古い農事暦などに見ることができます。
 英米の季節の移ろいに思いを馳せながら,毎月の満月に与えられた名前をたどってみましょう。

 なお,"Harvest Moon" が9月に起こったり10月に起こったりするように,満月の時季は年によって異なり,満月の名前も流動的で,その月に紹介した名前の満月が前後の月に現れる年もあります。
 そして,どの名前にも属さないもう一つの満月が現れると,その満月はブルームーンと呼ばれます。

キウイの写真
夏の最後の満月の名前備考
英語名Full Fruit Moon果実の満月
アメリカ
その他
Full Harvest Moon収穫の満月植民地時代のアメリカ
秋分に一番近い満月 (※注)
Full Nut Moon木の実の満月アメリカ先住民チェロキー族
Full Mulberry Moon桑の実の満月アメリカ先住民チョクトー族
Full Singing Moon歌うの満月ケルト
Full Barley Moon大麦の満月イギリス中世
Full Corn Moonトウモロコシの満月
Full Leaves Turning Moon紅葉の満月

※注
 Harvest Moon(収穫月)は,秋分に一番近い満月のことで,9月に起こる年と10月に起こる年があります。
 収穫のピーク時,農夫たちは収穫月の明かりによって夜遅くまで働くことができました。通常の満月なら,平均して毎夜50分ほど遅く昇るようになっていきますが,収穫月あたりの夜,月は毎夜もっと似たような時刻に昇ります。アメリカ合衆国では毎夜25〜30分ずつ,カナダやヨーロッパではたったの10〜20分ずつ遅くなっていくだけ。
 この月明かりの長い夜の間に,コーン,カボチャ,ウリ,豆,そしてワイルド・ライスなど,アメリカ先住民たちの主要食物は,すっかり刈り取られていったのです。


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