しし座 (Leo, Leo)

最終更新:2000-01-22

※転載・複製は,一切お断り致します。
(c) 2000 Yukiko Tsuchiyama and Ryosuke Naito. All rights reserved.
(Produced by Mira House.)


しし座
(StallaNavigator AstroArts ASCII)

和名

 トイカケボシ(樋掛け星)
 岐阜県揖斐郡で見つかった名前。いわゆる“ししの大がま”に当たる部分の刃のカーブを,雨樋を掛ける金具に見立てたもの。

 イトカケボシ(糸掛け星)
 京都府丹後地方の天橋立付近で見つかった名前。糸掛け星がキラキラ光る夜が続くと,その年は豊作と言われた。“大がま”の部分を糸車に,獅子の尻尾の部分を糸巻きに見立てる。




主な星

アラビア語の英語表記: アルファベット下のドットは"."で,母音の長音符は直後に"_"を付記し,代用
星名一般名意味派生和名光度スペクトル距離絶対等級
αレグルス
コル・レオニス
アル・マリキ
Regulus
Cor Leonis
Al Maliki
小さな王
ししの心臓
王の星
ラテン語
ラテン語
アラビア語

1.35B7*70-0.7
βデネボラDeneboldアラビア語
2.13(Var)A3*40+1.5
γ1
γ2
アルギエバ
アルゲイバ
Algieba
Algeiba
ひたいアラビア語
1.9
1.9
K0*
G7*
80-0.1, +1.2
δゾスマ
ドゥール
Zosma
Duhr
腰布
ししの背中
ギリシャ語
アラビア語

2.56A4*80+0.6
εラス・エラセド・アウストラリスRas Elased Australisししの頭の南の星アラビア語
2.97G0*320-2.1
ζアダフェラ
アルダファラ
Adhafera
Aldhafara
ちぢれ毛アラビア語
3.43F0*180+0.5
θコクサ
シェルタン
Coxa
Chertan
2本の小骨アラビア語
3.34A2*140 
λアルテルフAlterfアラビア語
4.31K5*

μラサラスRasalas南を向いた獅子の頭アラビア語
3.89K2*

光度: Yale Catalogue of Bright Stars, (3nd edition)
スペクトル: 
 * Yale Catalogue of Bright Stars, (3nd edition)
 ** Yale Catalogue of Bright Stars (4th edition, Hoffleit,D.and Jaschek,C.1982, Yale University Observatory)
 *** A List of MK Standard Stars (Garcia,B.1989, Bull.Inform.CDS,No.36)
距離および絶対等級: 『星座ガイドブック』誠文堂新光社,『星百科大事典 改定版』地人書館より抜粋。データが古いため参考までに。

【コメント】

 α星レグルス(Regulus)は,“小さな王”を意味するラテン語で,それまでRegia(王権)とかRex(王)などと呼ばれていたものを,コペルニクス(1473-1543)により定められた。古代ギリシャではシャール(王),アッカド名をアミル・ガル・ウル(天球の王),ヒンズー名をマーガ(偉大なもの),ペルシア名をミヤン(中央の星)という。レグルスは黄道上にある占星学上重要な星であったため,古くから各地で王の星として重要視されてきた。古代ローマ人によって尊敬された4個の“ロイヤル・スター”(他はアルデバラン・フォーマルハウト・アンタレス)の一つでもある。“王の星”という意味のアラビア語アル・マリキ(Al Ma_liki_)も,黄道上に位置する王の星として重視された故の名である。
 星座の中での位置から,“獅子の心臓”という意味のラテン語コル・レオニス(Col Leonis)で呼ばれることもある。

 β星デネボラ(Denebola)は,“ししの尾”を意味するアラビア語,アル・ダナブ・アル・アサド(Al Dhanab al Asad)が語源。デネブ(Deneb)と呼ばれることもある。
 ダフィラー又は,セルファという別名があり,セルファは“変化するもの”“天気の支配者”という意味のアラビア語,アル・サルファーが語源。

 γ星アルギエバ(Algieba)又はアルゲイバ(Algeiba)は,“額”を意味するアラビア語,アル・ジェバ(Al Jebbah)が語源。

 δ星ゾスマ(Zosma)は,“腰布”“帯”を意味するギリシャ語,ゾスマが語源。ゾズマ(Zozma)またはゾスカ(Zosca)とも呼ばれる。
 もう一つの名ドゥール(Duhr, Dhur)は,“ししの背中”を意味するアラビア語,アル・タール・アル・アサド(Al T.hahr al Asad )が語源。また,ズブラ(Zubra)と記されていることもあるが,これは“たてがみ”という意味のアラビア語,アル・ズブラー(Al Zubrah)から来た名前。

 ε星ラス・エラセド・アウストラリス(Ras Elased Australis)は,“獅子の頭の南の星”という意味のアラビア語,アル・ラス・アル・アサド・アル・ジャヌビヤ−(Al Ra_s al Asad al Janu_biyyah)が語源。

 ζ星アダフェラ(Adhafera)は,“ちぢれ毛”を意味するアラビア語,アド・ダフィラ(Ad. D.afi_ra)が語源。アルダファラ(Aldhafara)は,これに定冠詞 Al がついたもの。元はかみのけ座γ星・4番星・21番星の名だったという説や,しし座ε星・μ星につけられていた別の名前の誤訳であるという説がある。

 θ星シェルタン(Chertan)は,“2本の小骨”を意味するアラビア語,アルカタニ(Al Khara_ta_ni)が語源。アラビアの第11星宿ズブラト・アル・アサド(Zubrat al Asad,獅子のたてがみ)の別名からきたもので,ショルト(Chort)またはコクサ(Coxa)と呼ばれることもあるが,みんな同じ名の訳である。

 λ星アルテルフ(Alterf)は,“目”を意味するアラビア語,アル・タルフ(Al Tarf)が語源。もともと,この星とかに座κ星などを含むアラビアの第11月宿の名から派生したもの。

 μ星ラサラス(Rasalas)は,“南を向いた獅子の頭”を意味するアラビア語,アル・ラス・アル・アサド・アル・シャマリイ(AL Ra_s al Asad al Shama_liyy)が語源。

 なお,λ・ε・μ・ζ・γ・η・αをつなぐ,?を裏返しにしたような形を“ししの大鎌”(Lion's Sickle)と呼び,これが英語でしし座の異称にもなっている(The Sickle)。




変光星

GCVS (General Catalogue of Variable Stars) より
変光星名変光星型光度範囲周期スペクトル備考
RM4.4-11.3309.95M6E-M9.5IIIEミラ型の代表的な明るい星

【スペクトル型の前後の記号】 接尾記号 E :スペクトルに輝線あり
【変光星型】 M:ミラ型
【コメント】


★ しし座の神話及び探し方については,星座入門しし座 をご覧下さい。




Home    星のるつぼ星のるつぼ