ロンドン旅行記 ★ シティ・オブ・ウエストミンスター(2)

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参考文献

2. モントカーム ホテル ニッコー ロンドン (The Montcalm Hotel Nikko London, 2008-05-21 〜26)

モントカームに到着!

THE MONTCALM hotel nikko london

   34-40 Great Cumberland Place London W1H 7TW, U.K.
   www.montcalm.co.uk


 ロンドンでの5夜は,nikko hotels international の一員である THE MONTCALM hotel nikko london へ滞在した。ここに宿泊することになった経緯は序章に記した通りだ。
 → 序章(3) ホテルの予約

外観

モントカームのエントランスを出たところ

 4つ星ホテルのモントカームはジョージア王朝時代の1789年に建てられた由緒ある建物の中にあり,ロンドンの歴史的建造物にも指定されている。

 場所は,ハイドパークの北東角,観光バスの出発地にもなっているマーブルアーチを基点に北へ走る Great Cumberland Place 通りの中ほどに位置し,地下鉄セントラル線マーブルアーチ駅の出口からは200mほど。Great Cumberland Place の東側に豊かな緑を見つけたら,それがホテル前にある半円形の公園,ウォーレンバーグ銅像広場(Wallenberg Statue)である。モントカームはこの広場の円形に沿って,アーチを描いて建っている。

 → Great Cumberland Place


 モントカームはクレッセント(半月形)の広場の奧に建っているため Great Cumberland Placeを歩いていても見えない。ウォーレンバーグ銅像広場の緑を見ながら一歩曲がった瞬間に,初めて外観を目にすることができる。
 近代的なビルとは違った趣ある風情は,さすが18世紀の建造物。知らなければまさかホテルだとは思わないだろう。今まで色々な国で数々のホテルに宿泊してきたが,泊まったホテルの外観をこれだけ熱心に撮ったのは初めてだ。


※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。

モントカーム ホテル ニッコー ロンドン 外観 (1)

Nikon D200
Fujifilm FinePix S2Pro
ウォーレンバーグ銅像広場南端から見たモントカーム 南側から見たモントカーム モントカームのエントランスから見た南方向
レストラン The Crescent とモントカームのエントランス Great Cumberland Place から見たモントカームのエントランス 銅像公園から見たモントカーム
モントカーム前から見たウォーレンバーグ銅像広場横の電話ボックス モントカーム前のウォーレンバーグ銅像広場 モントカーム前から見たウォーレンバーグ銅像広場と電話ボックス
モントカームの北端とGreat Cumberland Place ウォーレンバーグ銅像広場とモントカームを北から望む モントカームのエントランスから南側をのぞむ

 おおよそホテルらしくない風情ある外観は観光客の目を楽しませてくれるに余りあるが,そのせいで,エントランスは少しだけ分かりにくかった。
 到着したのはよいが,いったいどこから入ればよいのか!?
 戸惑いながら歩いていくと,弧を描いたファサード中央部分に飛び出す二本の柱の間に「The Montcalm」の金文字が光っていた。奧に見える緑のオーニングは,モントカームのレストラン「The Crescent」である。
 イギリスの建物らしく地上から採光する形式の地下の部屋があり,歩道から地下へ降りる梯子状の階段並んでいて,エントランスへ向かうためにはその前を通り過ぎる。


※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。

モントカーム ホテル ニッコー ロンドン 外観 (2)

Panasonic LUMIX DMC-FX33
モントカームのエントランス エントランス横の植え込み 玄関のドア
エントランスのプレート 地下への階段 緑の日除けスクリーンが目印のレストラン The Crescent
Great Camberland Placeの向かい側から /Lumix FX33 モントカームの夜景(1) モントカームの夜景(2)

レセプション

 分かりにくいのは玄関だけではなかった(^^;。
 エントランスから一歩足を踏み入れると,確かにホテルのロビーらしい雰囲気ではあったが,所謂フロントと呼べそうなカウンターはどこにも見あたらない。正直どうしようかと戸惑った。
 あるのは,結婚披露宴の受付デスクのようなテーブルと椅子のセットだけ。そこで尋ねるしかあるまい。最初に声をかけた女性は担当ではなかったようで,向こうで言えと別のデスクを指され,そこで無事チェックインを済ませることができた。

 しかし,入国審査で疲れ切っていた我々は,注意力散漫。
 クーポンを使って宿泊する最初の2泊のみが予約されているような言い方だったのに確認し忘れ,朝食の話が何もなかったのに,それも確認し忘れた。あてがわれた312号室に入ってようやく気がつき,仕方ないので再びフロントへ戻って確認すると,残りの3泊も予約は確認されており同じ部屋を使って良いそうだが,朝食はついていないプランだとのこと。ホテルに届いていると思われるロンドンフィルのコンサートチケットのことも尋ねたかったが,チケット保管について返信メールをくれた日本人スタッフは翌朝9時まで出勤しないと言われ,諦めた。

 とりあえずの問題は,朝食だ。
 序章(3) ホテルの予約で書いた通り,我々は,JALグローバルクラブから1泊£178.6(約38,000円)で予約していたのだが,H.I.S.海外ホテル格安予約では3泊朝食付きで109,500円となっていたため,この料金なら当然自分たちも朝食つきであると思い込んでいたのだ。何という迂闊さ,そして誤算。
 チェックインの時にもらったインフォーメーションを見ると,朝食は,和食£19.95(約4,200円),イングリッシュ£17.95(3,800円),コンチネンタル£15.95(約3,350円)となっており,激高(^^;! ネットで見てもモントカームの和朝食の評判は上々で楽しみにしていたのだが,いくら何でも高すぎる。
 疲れた身体をひきずって,ともかく当てもないままチェックイン後すぐに翌朝の食事を調達しに出かけたのだった。H.I.S.海外ホテル格安予約が,名実共に格安であったことを思い知ったのだった。


※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。

モントカームのレセプション

Panasonic LUMIX DMC-FX33
Nikon D200
Fujifilm FinePix S2 Pro
モントカームのレセプション・コーナー(1) モントカームのレセプション・コーナー(2) モントカームのレセプションデスク
モントカームのエスカレーター(1) モントカームのエスカレーター(2) モントカームのエスカレーター前
エスカレーターの中の絵(1) エスカレーターの中の絵(2) モントカームのペンと絵葉書

 モントカームの基本色は緑色のようで,絨毯にソファ,フロントの電気スタンド,ファイル,ボールペン,カーテン,部屋のハンガーや栓抜きなど,至る所に緑色の調度品が揃えられている。

モントカームの玄関横の飛行機

 エスカレータはフロント前に2基,どちらの中にも額縁に入ったモントカームの水彩画がかかっており,日本のホテルによくあるレストランの広告などに比べたら品がよく落ち着く感じだ。このうち,モントカームとウォーレンバーグ銅像広場を描いた絵は,絵葉書にもなって部屋のファイルに挟んであった。エスカレータを降りると,一輪挿しが乗ったテーブルとソファがあって,このソファも緑色。
 館内にはレストランがあるのみで土産物屋などの店がないため静かな雰囲気。ホテルへ帰ると,いつもコンシェルジェの男性がにこにこしながら「Hello」と声をかけてくれた。

 エントランスの脇の机にJALのB747-400の模型と時刻表などの資料が並んでいるところが,唯一,日本の香りを感じさせていた。


312号室

モントカーム 312号室の最初の風景

 我々が5泊過ごした312号室は,Great Cumberland Place と交差する Upper Berkeley Street に面した北向きのツイン。

 1泊4万円近くするのだから,英国の物価高を考慮してもそれなりに立派な部屋だろうと期待して入ったのだったが,意外に狭く,大きめのスーツケースを1つ広げると歩く場所も無くなってしまうほど。
 後日コッツウォルズのツアーへ行ったときの添乗員さんの話によると,ジョージア王朝時代の建物は改装を重ねたせいで概ね部屋が狭いとのことだ。ついでに書くと,英国のホテルの星の数はアメリカなどとは基準が異なっていて,有名な人が住んだことがあったり,近所に住んでいたり,建物が由緒あるものだったりするだけで,星が1つ増えたりするということだ。

 西欧風インテリアは綺麗で可愛らしく,家具は四つ星ホテルらしく落ち着いた感じだが,アメニティは東京の同価格帯のホテルに比べて今ひとつ。やはりロンドンの物価高のためだろうか。

 極めつけがインターネットだった。
 事前情報では高速インターネットが使えるということだったので,ブログの更新やメールチェックのためにパソコンを持ち込んでいたのだが,何と,1日£20(約4,200円)又は1分間50ペンス(約105円)! ビジネスの宿泊客なら躊躇無く使うのだろうが,必要に迫られていない私たちが気軽に使える料金ではない。
 覚悟はしていたが,インターネットの接続料金を知って,ロンドンの物価の高さは想像以上だと驚き,先が思いやられたのだった。


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モントカーム 312号室

Panasonic LUMIX DMC-FX33
Nikon D200
モントカーム 312号室全景 モントカーム 312号室 窓側から見た風景 夜の部屋(1)
間接照明 間接照明とカーテン デスク
312号室の前の廊下 312号室のドア ドアの鍵
ドアの内側 ドアに貼ってあった避難経路 ズボンプレッサー

 到着当日は32時間の長い一日に疲れ果てて夕食もとらずに早々と就寝してしまい,翌朝になって温かい飲み物でもと思い立ち,それらしいセットが無いことに気がついた。

312号室に用意されたお茶

 しかし,収納されていそうな場所はただ1箇所。案の定,T-falのポットを含むお茶セットは,テレビの上の戸棚の中にあった。Twiningsの紅茶とミントティー,緑茶のティーバッグが2パックずつ,インスタント珈琲2袋。砂糖やミルクもたっぷりあって,これは品質共にまぁまぁ満足できる内容だ。
 朝食と一緒に紅茶を入れてみたが,これはかなり美味しかった。イギリスで飲む紅茶は美味しいと聞いていたが,本当だ。水の違いだろうか?

 また,モントカームでは毎朝各部屋に無料で新聞が配達されるが,日本人には朝日新聞が届けられる。ロンドンで印刷されている朝日新聞なので,新聞紙の大きさが日本のサイズよりちょっと小振りなのが新鮮だった。コンシェルジェへ行けば読売や日経も手に入るようだったが,文字通り朝から晩まで観光に忙しく,とても新聞を読む暇などない。せっかく届けて貰った新聞だが,日本で大事件など起こっていないかざっと見出しを確認するだけで精一杯だった。
 クーポン使用の最初の2泊が終わった3泊目,24日朝のみ何故か朝日新聞ではなくロンドンの新聞「THE TIMES」が届けられ,そもそも朝日新聞が好きでない私にはこちらの方が楽しかった。

 戸棚の中の金庫は使い方がわからず未使用(^^;。
 写真のスリッパはJALの飛行機から持ってきたもの。部屋にはスリッパが用意されていなかったので,大活躍だった。


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312号室のサービス

Panasonic LUMIX DMC-FX33
Nikon D200
戸棚にあったティーセット 部屋に用意されていた紅茶 部屋に用意されていたミントティー
24日朝の新聞 コースターと栓抜き ナッツの瓶詰め
タンブラー ミニバーのメニュー 冷蔵庫
テレビと金庫と毛布 クロゼット 飛行機から持ってきたスリッパ

 客室が狭い割りには,バスルームはまぁ満足できる広さ。洗面台は使いやすく雰囲気もよかった。トイレは西欧らしくビデつきだが,ビデはちょっと苦手(^^;。日本以外の国でシャワートイレが普及することはないのだろうか?
 前回のヨーロッパで懲りた我々は,日本から柔らかいトイレットペーパーを持参して使ったが,備え付けトイレットペーパーはヨーロッパにしては品質がよく,使える範疇だった。

 ホテルのエントランスで見かけた青くて丸いスイセンの花のマーク(写真)と同じものがバスルームの壁に貼られている。毎日タオルを洗濯するのは環境に悪いので,そのまま同じタオルを使い続けるならばタオルはタオル掛けに,新しいタオルが欲しいのならば,タオルは床に置くように,とのことだ。
 到着早々読めば良かったのだが,数日過ごした後で気がついた(^^;。

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モントカーム 312号室 洗面台とバスルーム

Panasonic LUMIX DMC-FX33
312号室の洗面台 312号室のトイレとビデ 312号室のバス
洗面台 花の形に置かれたシャンプー・リンス・バスジェル・ボディローション 洗面台の歯ブラシセットとシャワーキャップ,バニティキット
シャワー バスタブのシャンプー・リンス・石鹸 マットとゴミ箱
アメニティ 環境配慮マーク 髭剃り専用コンセント
シャワー バスタブの石鹸置き場 トイレットペーパー

312号室の窓から見た風景

 晴れた朝,曇った朝,雨の朝。
 滞在中は毎朝,312号室のソファに座って,窓の外を眺めながら食事を摂った。

 窓の外に見える通りは,ホテルの北側にある Upper Berkeley Streetで,Great Cumberland Place と交差する東西に走る道だ。

 道路の向かいには白い窓枠が可愛らしいアパートメント,イギリスだからフラットと呼ぶのだろうか? が建っていて,建物に絡むツタ,窓辺や玄関に飾られた花々が目を楽しませてくれた。
 2泊目の朝はゴミ回収日だったようで,各玄関の前にはゴミ袋が置かれ,ゴミ回収車がやってきて袋の色別に回収を行っていた。屋根の上の煙突の数だけ部屋があるのだろうが,未だにこれらの煙突が使われる生活が営まれているのだろうか?

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312号室の窓から見た風景

Panasonic LUMIX DMC-FX33
Nikon D200
最初の窓の風景 向かいの窓 向かいの玄関
向かいの煙突 ゴミ回収の日 雨の朝
最後の窓の風景

 左はチェックアウトの日,部屋を出る直前に撮った写真。
 雨のバンクホリデーだった。


 窓からお馴染みになった通りを歩いてみたくて,3泊目,24日朝,出かける前にちょっとだけ Upper Berkeley Street へ寄ってみた。

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Upper Berkeley Street

Panasonic LUMIX DMC-FX33
Nikon D200
向かいの通り Upper Berkeley Street (1) 向かいの通り Upper Berkeley Street (2) Upper Berkeley Street から見た312号室の窓 (1)
Upper Berkeley Street から見た312号室の窓 (2)

 窓から見える道。ということは,私たちの部屋の窓が見えるはず…。

 表の Great Cumberland Place 方面から見たモントカームは美しく弧を描く特徴的な建物なのに,この通りから見上げたモントカームは,向かいのフラットとの違いが分からないほど普通の建物だったので驚いた。色調も,ファサードとは全く異なっている。

 こうして通りの雰囲気を整え,美しい景観が作られてゆくのだろうか。


チェックアウト

 帰国の日の5月26日は,英国の祝日,スプリング・バンクホリデーとなっていた。銀行は勿論,一部の地下鉄も止まるということを知って少々焦ったが,ヒースロー行きの地下鉄は通常通り運行していた。
 到着した頃からテレビの天気予報ではしきりにバンクホリデーの天気を気にしていたが,あいにくの強い雨。窓の外は人通りもなく静かなものだった。

 飛行機は夜の便だったので空港への移動は午後からでも大丈夫,午前中は近所の観光若しくは買い物でもと思っていたが,あまりにひどい雨に,外を歩く気分にはなれない。
 そういうわけで,忙しく観光に出かけてばかりでゆっくり過ごすことのなかったこの部屋で,出発の時刻まで,荷物を整理しながらのんびり過ごすことにした。

 ホテルのフロントの効率は今ひとつだし,チェックインとチェックアウトが重なる正午が近くなれば混雑して出発が遅れる可能性が考えられたため,午前11時11分,名残惜しみつつ,5泊6日の時を世話になった312号室を後にした。

Check out

Panasonic LUMIX DMC-FX33
モントカーム 312号室の最後の風景 モントカーム 312号室を出る

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外部リンク
 ・Central London Hotels | The Montcalm Hotel Nikko, London | Luxury Hotel England (モントカーム)
 ・H.I.S. 海外ホテル 格安予約
 ・Home | Transport for London (ロンドンの交通)
 ・Marble Arch - London - UK Attraction (マーブルアーチ観光案内)



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