★参考文献
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ロンドン滞在中,地下鉄は毎日利用した。
このため最寄りの駅だったセントラル・ラインのマーブルアーチ駅は,すっかり私たちのホームという感じで,帰る頃には駅周辺の風景も,駅構内のエスカレーターやポスターも,ホームに飾られたアートも,何もかもがお馴染みになっていた。
セントラルラインは,その名の通りロンドンの中心部を東西に走り抜ける路線。ハイドパークの北東角に位置するマーブルアーチ駅は,百貨店セルフリッジに近いロンドン随一の繁華街ボンドストリート駅の西隣の駅である。右の写真はExit1から地上へ出た時の風景で,駅の階段を上りきると,右前方に緑に囲まれた白いマーブルアーチが見えてくる。
毎日この階段を上り,マーブルアーチを眺め,この街のこの場所に滞在できたことに幸せを感じたのだった。
ロンドンの地下鉄に乗って感じたことは,エスカレーターの天井が見窄らしいこと。駅によっては本当にボロボロで,どうして何とかしないのだろうかと不思議に思うくらいだった。決して美しくないマーブルアーチ駅のエスカレーターの天井は,これでもかなりマシな方だったと思う。
また,エスカレーターの横の壁は必ずポスターが並んでいたが,並ぶポスターの種類は駅によって趣向が異なっている。おかげで違う駅に降り立つたびに,天井がどれくらいボロボロであるか,壁にはどんなポスターが並んでいるか,楽しみだった。
また,多くの駅にはバスカーと呼ばれる大道芸人たちが音楽を奏でる場所が設けられており,マーブルアーチ駅の場合,その場所はエスカレーターを降りきったところにあった。
右下の写真にある,床に描かれたアーチ状の場所が演奏スペースで,たまたま誰も演奏していない状態を撮ることができた。マーブルアーチ駅だからこのスペースがアーチ形だったのだろうか? 駅は大抵混雑しているし,大抵誰かが演奏しているし,演奏者の写真を勝手に撮っても悪いような気もして,他の駅の演奏スペースの写真は撮ることができなかった。
ある時はバイオリン,ある時はアカペラ,ある時はアコーディオン…と,滞在中の数日間にずいぶん多くの人の演奏を耳にした。流れる音楽に耳を澄ませ,少し豊かな気持ちになって駅の雑踏を歩くのは,日本では知らない体験だった。
地下鉄の駅での演奏は2003年以降許可制で,演奏する権利を獲得するにはオーディションを受け,けっこう大変な競争率を突破しなけらばならないと聞く。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。
マーブルアーチ駅のエスカレーター (Marble Arch, Central Line) Panasonic LUMIX DMC-FX33
Nikon D200 | ||
駅のホームにも,駅ごとに趣向があって面白い。
これも混雑のためなかなか撮るのが難しかったのだが,マーブルアーチ駅にはおそらくマーブルアーチをイメージしたアーチが描かれていた。ゆっくり撮って回ることはできなかったが,アーチの配色には幾つかの種類があったと思う。ベンチの後ろに描かれたアーチを見て,いつもホームに帰ってきたと感じたものだ。
また,ホームの向かい側の壁に貼られた大きなポスターやアートも駅によって異なっていて,マーブルアーチ駅で東方面行きのホームに立つと,いつも目の前の赤い服を着た女の子と花と蝶のアートが目についた。「Elena Gomez Illustrator Butterfly」(ページ下に外部リンクあり)と書かれたそのポスターは,アーティストの広告だったようだが,地下鉄にこういったアートが掲げられていること自体がちょっと面白い。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。
マーブルアーチ駅のホーム (Marble Arch, Central Line) Panasonic LUMIX DMC-FX33
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ところで,日本の地下鉄と違っている最大のことといえば,連休に地下鉄が止まってしまう!ことだ。
上の2枚の写真はバンクホリデーの運休を告げるマーブルアーチ駅のインフォーメーション。24日土曜日から26日の祝日バンクホリデーまでの3日間,地下鉄が動かない箇所を示している。マーブルアーチ駅が運休区間に入っていなかったことは誠に誠に幸いであった(^^;。
オイスターカード(→ 2. オイスターカード)を使って駅の改札を出ると,日本の地下鉄の駅がそうであるように,数カ所の出口があって地下で各出口への道が分かれている。地図や天井から下がっている案内板を見ながら自分にとって都合の良い出口を探すのも日本と同じだ。
ホテルへ帰る時には1番出口が最寄りだったが,せっかくなので,マーブルアーチを見るために一度だけ3番出口から地上へ出てみた。3番出口へ上る階段の前の壁にはマーブルアーチを象ったモザイク壁画が施されていて印象的。
3番出口を出ると,花壇の向こうに,本来はバッキンガム宮殿の前に構えていたはずの不憫なマーブルアーチが佇んでいた。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。
駅構内の風景と案内図 (Marble Arch, Central Line) Panasonic LUMIX DMC-FX33
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ロンドンの地下鉄ではどの駅にも路線図(Tube map)がおいてあり,自由に持っていくことができる。折り畳むと75×150mm の大きさになる路線図はよくできていて,地下鉄を利用するなら必須アイテムと言っていいだろう。ちなみにこの路線図にもオイスターカードと同じく1面に黄色い IKEA の広告が入っている。
マーブルアーチ駅以外では見かけなかったがとても重宝したのは,フリーのマーブルアーチ周辺地図だ。「Continuing your journey from Marble Arch」と書かれたその地図には,地下鉄の出口と周辺のバス停とバスの行き先の案内,周辺の道路の名前と主な店が記されている。
マーブルアーチ駅はロンドン名物の赤い観光バスの発着場になっているためこのような地図が用意されていたのだろうか? あまりに便利な地図だったので他の駅でも探したが,とんと見かけなかった。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。
マーブルアーチ駅周辺の風景 (Marble Arch, Central Line) Panasonic LUMIX DMC-FX33
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マーブルアーチの横のパークレーン通りには観光バスの発着場があり,観光バスはハイドパークの北東角にあるスピーカーズ・コーナーを曲がってマーブルアーチの周辺をぐるりと周回したあと各々の目的地へ向かって旅に出る。路線バスのバス停も沢山ある。このため,駅周辺には常にロンドン名物の赤いバスが何台も走っている。
また,1番出口の横にはバスツアーのチケット売り場があり,その向かい,パークレーン沿いにはユニオンジャックを大きく掲げた土産物屋もある。おかげで常に華やいでいて,マーブルアーチ駅は観光客がロンドンの観光気分を味わうには最高の環境と言えるのではないだろうか。
外部リンク
・Home | Transport for London (ロンドンの交通)
・The Big Bus Company (赤バスでのロンドン観光ツアー)
・Marble Arch - London - UK Attraction (マーブルアーチ観光案内)
・elena gomez (赤い服の女の子のイラストレータさんのサイト)
ロンドン旅行記 index シティ・オブ・ウエストミンスター index