★参考文献
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Buckingham Palace Road は,文字通り「バッキンガム宮殿へ向かう道」である。大英帝国の象徴とも言える女王ヴィクトリアの名前を冠したヴィクトリア駅の南端に始まり,ヴィクトリア駅の西側に沿って北上し,バッキンガム宮殿の門へと続く。ロンドン観光の初日,最初に歩く道としては最高の道といってもいいかもしれない。
そんなことを考えたわけではなかったが,私たちはヴィクトリアの「みゅうインフォーメーションセンター」でコッツウォルズ観光ツアーの予約を終え, Buckingham Palace Road を北へ向かって歩き始めた。バッキンガム宮殿の横を通ってBAロンドン・アイへ行き,観光の手始めに観覧車の上からロンドンの街を一望したいと考えたのである。
「みゅうインフォーメーションセンター」があるアーケード街 Colonnade Walk(コロネーデス・ショッピングセンター)を出た私たちは,まずヴィクトリア駅の中を東西に突っ切る Eccleston Street を渡り,駅に沿って北上した。左前方には緑の公園が見えており,そのあたりがヴィクトリア駅の北端となる。
交通の要所であるヴィクトリア駅の周辺には,路線毎に沢山のバス停があって,バスの往来も多い。マーブルアーチ駅周辺でも見掛けた2階建ての観光バスや,路線バスと思われる2輌編成のバスなど種類は様々だが,どのバスも赤いことだけは共通のようだ。
やがて,Buckingham Palace Road を北上し始めた頃から左前方に見えていた公園のところまでやってきた。ここは,ヴィクトリア駅北端に続く Terminus Place と Buckingham Palace Road の交差点で,三叉路になっている。三叉路の突き当たりが公園なのだった。
交差点を渡って,Terminus Place を振り返ると,駅ビル屋根に「London Victoria Station」の文字が見えた。鉄道ヴィクトリア駅の正式名称は「ロンドン・ヴィクトリア駅」であるが,通常は単に「ヴィクトリア駅」と呼ばれているということだ。
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Eccleston Street から Grosvenor Gardens まで Panasonic LUMIX DMC-FX33
Nikon D200 Fujifilm FinePix S2 Pro | ||
Terminus Place と Buckingham Palace Road が交わる三叉路,Buckingham Palace Road の西側に位置する公園はそれなりに大きく目立つのだが,どこの地図を見ても名前は載っていない。公園の周囲を囲む道の名が「Grosvenor Gardens」なので,公園の名前も「Grosvenor Gardens」だろうか?
公園の東側に Buckingham Palace Road へ向かって騎馬像が立っていたが,台座には「FOCH 1851-1929」とだけ刻まれている。生没年を頼りに調べたところ,フランスの将軍フェルディナント・フォッシュ(Ferdinand Foch)の彫像だった。
私たちは Fochの騎馬像の前で Buckingham Palace Road を渡り,道路の西側を歩くことにした。公園の北へ回ると静かな裏通り Grosvenor Gardens で,木陰にはひっそりと電話ボックスがある。
電話ボックスのあたりから公園を覗き込むと,芝生の上に,日本では見掛けない白と黒のツートンカラーの野鳥がいた。これが,ロンドンにいる間中何度も見掛けた magpie(カササギ)との最初の出会いである。ヒヨドリより少し大きめといった感じのその鳥は,忙しそうに地面をつつき,動き回っていた。見知らぬ野鳥に出会い,遠くの国へ来たのだという実感がつのった。
公園の北を東西に走る Grosvenor Gardens を渡ると大きな交差点になっていて,歩道には自転車が数台駐輪していた。歩道に設けられた自転車パーキングエリアなのだった。
下の写真で自転車の向こうに見えている大通りは Victoria Street で,ウエストミンスター寺院まで続いている。BAロンドン・アイへ行くならこの道が近道になるが,やはりもう少し北上してバッキンガム宮殿と,宮殿前のセント・ジェームズ・パークを観光しながら歩くのがよいだろう。
Victoria Street との交差点を過ぎると,西向きに Eaton Lane という小さな通りが一筋のびていただけで,バッキンガム宮殿へ向かってまっしぐらという感じ。途中,道路の両脇に小さな土産物屋が数件あったが,何ともベタな英国土産がいっぱい! 「My Dad went to London and all I got was this lousy T-shirt !」なんて書いたユニオンジャック柄のTシャツ,欧米人には受けるのだろうか(^^;? 故ダイアナ妃の人気は今でも上々のようだった。
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Grosvenor Gardens から Lower Grosvenor Place まで Panasonic LUMIX DMC-FX33
Nikon D200 Fujifilm FinePix S2 Pro | ||
バッキンガム宮殿の南端を東西に通る Lower Grosvenor Place との交差点までやってくると,軒下に植木ハンギングが並ぶ Bag O' NAILS という名の比較的大きなパブがあって,よい感じの雰囲気だった。まだ朝でお腹も空いていなかったし,観光も始まったばかりだったので縁がなかったが,「A real ale pub」とのことで,時間があったらこういったパブに入ってみたかったものだ。
パブ Bag O' NAILS の前で Lower Grosvenor Place と Buckingham Palace Road との交差点を渡ると,とうとうバッキンガム宮殿の敷地の脇に入る。Bag O' NAILS の Lower Grosvenor Place を挟んだ向かい側に見える沢山の煙突を立てた薄茶色の建物は,王室の厩舎,ロイヤル・ミューズ(Royal Mews)である。
ロイヤル・ミューズの横を北上していくと,バッキンガム宮殿に向かう観光客だろう,心なしか人通りが増えてきた。気をつけて周囲を見回すと,道端の街灯の上に何気なく金色の王冠が乗っていたり,ポストに王冠が描かれていたり,王室縁の場所である雰囲気がそこかしこに漂っている。
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Lower Grosvenor Place から Buckingham Gate まで Panasonic LUMIX DMC-FX33
Nikon D200 Fujifilm FinePix S2 Pro | ||
やがて,立派で厳重な,しかし質素な門の前に辿り着いた。バッキンガム宮殿の裏門?である。
この門から先の道は, Buckingham Palace Road から Buckingham Gate と名前を変え,煉瓦造りの美しい塀が,黄金のクイーン・ヴィクトリア・メモリアルが輝く宮殿正門へと導いてくれる。前方に見える緑の木立のあたりが,宮殿正門になるのだろう。停車している観光バスも見えている。
私たちがロンドンで訪れる最初の観光地,バッキンガム宮殿がいよいよ目の前に迫ってきた。
外部リンク
・Home | Transport for London (ロンドンの交通)
・みゅう(MIKI TRAVEL)
・Bag O' Nails, Victoria, London, SW1W 0PP - pub details # beerintheevening.com
・Welcome to the Bag O'Nails - a real ale pub
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