★参考文献
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英国女王の居城,バッキンガム宮殿。どんなにイギリスやロンドンに興味が無くとも,この宮殿の名前を知らずに過ごすのは難しいだろうと思う。
バッキンガム宮殿は,もともと1703年にバッキンガム侯爵が建てた邸宅バッキンガム・ハウスで,これを1762年にジョージ3世が購入したのが始まりである。その頃の王室の居城は隣接するセント・ジェイムズ宮殿で,ジョージ3世は,王妃シャーロットと子どもたちのためにこの家を購入したのだった。その息子ジョージ4世は1820年に即位すると,建築家ジョン・ナッシュに全面改装を命じたが,工事途中に逝去。その後のウィリアム4世の治世を挟んだ後,1837年,即位と共にヴィクトリア女王が移り住み,以降,ここが王室の正式な宮殿として使用され,今に至る。
女王陛下の在・不在は,正面に掲げられた旗が王室旗であるか英国国旗であるかによって知ることができるのは,女王お気に入りの離宮,ウィンザー城と同じである。
Buckingham Gate の北端まで歩いた私たちがまず目にしたものは,黄金に輝くクィーン・ヴィクトリア・メモリアル(Queen Victoria Memorial)だった。バッキンガム宮殿に初めて移り住んだ大英帝国華やかなりし時代の君主は,威厳高らかに青空の下で煌めいていた。
そして周囲を見回すと,いつどこからこんなに人が増えたのかと訝しく思うほど,メモリアルの周辺も城の前も観光客で大賑わいなのだ。ロンドンという街が,バッキンガム宮殿が,こんなにも観光客に埋め尽くされた場所であるとは知らなかった。この人込みの中でいったいどうしたらいいのだろう,という感じ(^^;。
おそらくバッキンガム宮殿最大の見所「衛兵交代」の時刻が近づいているからではないか?
そう思って急いでガイドブックを確認すると,衛兵交代は11時半から。まだ10時45分だ。今なら写真撮影用の特等席を確保できそうだったが,ここで45分も待って過ごすのはたった4日間のロンドン滞在を思えば時間のロスである。そう思った私たちは,バッキンガム宮殿の衛兵交代は諦めて,11時のホースガーズ(Horse Guards)の衛兵交代を目指すことにした。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。
バッキンガム宮殿 (1) Panasonic LUMIX DMC-FX33
Nikon D200 Fujifilm FinePix S2 Pro | ||
門の中に建つお馴染みの制服を着た衛兵を見ると,さすがにバッキンガム宮殿に来たのだという実感が湧く。
ゲートの紋章は,とても大きく立派なものだ。中央の盾をイングランドの象徴であるライオンと,スコットランドの象徴であるユニコーンが支え,盾の上に王冠が乗せられ,頂点には王冠をかぶったライオン。4分割された盾には,イングランドの紋章「3頭の歩くライオン」とスコットランド紋章の「片足で立つユニコーン」,アイルランド紋章の「ハープ」が描かれている。これこそ,3国連合がかなったことを記念してヴィクトリア女王が使い始めた連合王国大紋章だ。
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バッキンガム宮殿 (2) Panasonic LUMIX DMC-FX33
Nikon D200 Fujifilm FinePix S2 Pro | ||
遠くに見えるロンドン・アイ(BA London Eye)に,クィーン・ヴィクトリア・メモリアル前からトラファルガー広場(Trafalgar Square)のアドミラルティ・アーチ(Admiralty Arch)へと続くザ・マル(The Mall)など,一通りの風景を写真に収めてまわり,10分弱の滞在を終えて私たちはバッキンガム宮殿を後にした。
外部リンク
・The Royal Residences > Buckingham Palace (バッキンガム宮殿公式サイト)
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