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★参考文献
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正門近くにあるオランジェリーは,キューガーデンズの設立者オーガスタ皇太子妃の命で園内の主な建物の設計を行った宮廷建築家ウィリアム・チェンバーズ(William Chambers, 1723-96)による簡素な白い建物である。上品な佇まいは,同じく彼が設計したロンドン市内のサマセット・ハウスとも通じるのではないだろうか。
その名が示す通りオレンジ栽培の温室だった建物と思われるが,現在はレストハウスに使われており,大きな窓から差し込む光が明るく室内を照らし,かつては温室だったことを感じさせる。
建物の中にも前にもテーブルと椅子が置かれ,人々は自由にゆったりとくつろいでいる。前に広がる緑の芝生の上では子どもたちが駆け回り,とてものどかな雰囲気だ。
オランジェリーの中には沢山のテーブルと椅子が並び,奧のカフェテリアで食べ物を調達してもよし,持ってきたお弁当を食べてもよしという感じ。スプーンにフォーク,コップ,紙ナプキンは自由に使えるし,もちろんトイレも整備されている。
私たちはまずカフェテリアへ行って,ソーセージとマッシュポテトのオニオングレービーかけとスコーン,レモネードを調達した。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。
Inside of The Orangery Restaurant Panasonic LUMIX DMC-FX33
Nikon D200 Fujifilm FinePix S2 Pro | ||
・Cumberland Sausage and Mashpotato £8.95
・Scone £1.7
・Lemonade £2.55
合計£13.2(約2,772円)と,実によい値段(^^;。
ただ,スコーンは大きいしソーセージとマッシュポテトも多いので,一人分?を二人で食べて丁度よい量だったことを思えば,まぁやたら高すぎるとは言えないだろう。そして何より良かったのは,美味しかったこと!
英国で食べた全ての食事の中で,このキューガーデンズの昼食が一番美味しかったことを明記しておこう。
ここで食べたカンバーランド・ソーセージは,イギリスを代表するソーセージ。豚肉にセージやチャイブなどのハーブを加えたもので,食感は柔らかく,長さが長いことも特徴のひとつ。
カンバーランドとは英国北西部の湖水地方やカンブリア地方のことで,昔から家畜飼育が盛んなこの地方は,ソーセージやベーコンなどの生産が盛んなのだそうだ。
さて,下を見ると,オランジェリーの床の上を観光客の食べこぼしをあてにしたドバトが歩き回っている。私たちが食事をしている間中ずっと,職員が一生懸命追い払おうと努力していたのだが,ハトの方は涼しい顔。とうとう追い払われることもなく最後まで巾をきかせていた。
ハトの逞しさが日本の観光地とそっくりで,頑張っている職員さんには悪いが少々面白かった(^^;。
オランジェリーでの時間がとても気持ちよく過ぎていったのは,おそらく周囲の人々のゆったりとした和やかな雰囲気のせいだろう。小さな子どもたちが大勢いたが,みんなとても可愛らしく,躾の悪い子の不快な行動に悩まされることもなかった。
居心地の良いオランジェリーで40分ほど寛いだが,さすがにいつまでもここに座っているわけにはいかない。少々残念な気持ちでオランジェリーをあとにし,私たちは次の目的地,キュー・パレスへ向かって歩き始めた。
外部リンク
・Home | Transport for London (ロンドンの交通)
・Royal Botanic Gardens, Kew: Home Page (キュー・ガーデンズ)