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★参考文献
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ロンドン塔のすぐ北に隣接する地下鉄のタワーヒル駅がロンドン塔やタワー・ブリッジの最寄りの駅になり,駅のすぐ横に,ローマの城壁跡と,トリニティ・スクエアという広場がある。両方とも有名観光地ではないものの,ロンドンの歴史と繋がる見所だ。タワー・ヒル駅で下車しロンドン塔へ行く前に見ておくと丁度よい感じなのだろう。
しかし,この日は地下鉄が運休。仕方がないので,タワー・ブリッジ観光の後,改めて訪れた。
トリニティ・スクエアという半円形の小径で囲われた広場にはタワー・ヒル・メモリアルが立っており,芝生の上では人や鳩が寛いでいる。
非常にのどかな場所に見えるが,ここは,1388年から1747年,約360年間も続いたタワー・ヒル処刑場(Tower Hill scaffold)跡なのだ。ロンドン塔に収監された身分ある反逆者のうち75名もここで命を落とした。その中には,ヘンリー8世友人でありながらヘンリー8世の宗教改革に異議を唱えて処刑されたトマス・モアの名も含まれる。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。
Trinity Square and Tower Hill Memorial Panasonic LUMIX DMC-FX33
Fujifilm FinePix S2 Pro Nikon D200 | ||
トリニティ・スクエア横の地下鉄タワー・ヒル駅入り口を挟んで東隣に見えるのが,ローマの城壁跡。ロンドン博物館の横で見た城壁はここまで続いていたのだ。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。
London Wall Nikon D200
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城壁の前には時のローマ皇帝トラヤヌス(Trajan,在位98-117)の銅像が立っていて,その如何にもローマの皇帝という出で立ちを見ると,グレートブリテン島にローマ人たちが押し寄せていたのだということが実感できるような気がした。
21箇所2.8kmのラインを巡るロンドン城壁巡りのうち,ロンドン博物館横は15番目スポットだったが,ここは2番目のスポット。1番目のスポットは道(Tower Hill)を挟んで向かい側にあるらしい。
ここ,タワーヒルの城壁は高さ10.6mあり,ローマ人が残したのは4.4mまで,上は中世になって作られている。建築用石灰岩のブロックが層状に並べられ,その間に瓦礫とモルタルを挟んでいる。所々にはめ込まれた赤く平らな石は,強度と安定性を高めるために使われているそうだ。銃眼付き胸壁を備えたローマの城壁は6.3m高さがあったと考えられ,城壁の外には防御用の溝があったという。
洋の東西を問わず観光客は有名どころに集中するのが常のようで,ロンドン塔にはあんなに人がいたというのに,この地味なローマ人の夢の跡はそれほど人気が無いようだった。とても印象深い場所だったのだが。
外部リンク
・シティ・オブ・ロンドン - Wikipedia
・London Wall - Wikipedia, the free encyclopedia
・トマス・モア - Wikipedia
ロンドン旅行記 index シティ・オブ・ロンドン index