※当ページの転載・複製は,一切お断り致します。
(C) 2008-2009 Yukiko Tsuchiyama, All rights reserved. (Produced by Mira House.)
★参考文献
|
シティのシンボル,ギルドホール。
青空の下,ファサードのてっぺんに掲げられたイングランドの旗が,あまりにも,あまりにも誇らしくはためいていた。
シティが自治権を獲得したのは12世紀。
商人のギルドはシティの行政本部 "Corporation of London" へと発展し,1411〜39年,この地に本拠地ギルドホールが建設された。当時の建物は1666年のロンドン大火災と第二次大戦によって消失し,現在も残っているのは地下礼拝堂とグレートホールの一部だけとなっている。
グレートホールには全組合の紋章が掲げられ,市長(Lord Mayor)の就任披露パーティや晩餐会が行われるとのことだ。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。
Guildhall Panasonic LUMIX DMC-FX33
Fujifilm FinePix S2 Pro Nikon D200 | ||
ギルドホールには時計職ギルドによる,ギルドホール時計博物館が入っている。無料で見学でき,16世紀〜19世紀にものを含む700個以上の時計が収集されているというのだが,今回は見学している時間がない。中の図書館も見学でき,売店ではロンドン関係の本が充実しているそうだ。
ギルドホールの隣に建つ立派な建物は,シティのコレクションを展示するギルドホール美術館(Guildhall Art Gallery)。戦後長らく閉鎖されていたが,1999年に再開している。
土曜日の午後だというのにこれほど人気がないとは,マイナーな観光スポットなのだろうか?
ところで,入り口のギルドホールの案内板に「Guildhall Art Gallery & Roman Amphitheatre」と書かれていたのだが,ローマの円形競技場の話など,どんなガイドブックにも載っていなかった。不思議に思っていると,ギルドホール前の広場全体に敷かれたタイルの中に,一つだけ形の異なった文字入りタイルがあり,そこに説明されていた。
ギルドホール・ヤードに敷かれた黒いタイルが,約2000年前にここに建っていたローマの円形競技場跡を示しているというのだ。
ローマ人による初めてのロンドンの競技場は西暦70年頃に建てられた木造のもので,2世紀初頭にタイルのエントランスと石灰岩の壁を持った建物に立て直された。競技場では,宗教上の行事のみならず,娯楽のために動物を戦わせたり囚人の公開処刑が行われたりしていたが,4世紀にローマ人が去ると競技場は見捨てられ何百年も放置されていた。そして11世紀に再びこの土地が使われるようになり,12世紀になって隣に最初のギルドホールが建てられた。競技場跡が見つかったのは1998年のことで,美術館が建っている場所に記念碑が保存されているそうだ。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。
ローマ人の夢が眠る,誇り高きシティ・オブ・ロンドンの本拠地。
人気のない晴れた午後,あまりにも静かな時間が流れていたギルドホールの姿は,まるで切り取った絵のように鮮明に心に残った。
外部リンク
・シティ・オブ・ロンドン - Wikipedia
・London Wall - Wikipedia, the free encyclopedia
・GUILDHALL | London
・City of London
ロンドン旅行記 index シティ・オブ・ロンドン index