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1999年11月のある日,熊本の父から,安いツアーがあるからお正月は一緒に中国旅行に行かないかという電話があった。私の両親は私に輪をかけて出かけるのが大好きなのだった。
中国旅行?
まったく思ってもみないことだった。旅行好きといっても今は種々の事情ででそれどころではない。よしや行くとしたところで,次に行く海外旅行先が中国だとは想像だにしたことがなかった。興味がなかったというよりも,思いついたことがなかったのだ。
しかし,それなら尚更よい機会かも? 誘われでもしない限り行かないかもしれないし。
ほどなく送られてきた新聞広告の切れ端には,4泊5日で上海〜蘇州〜無錫〜南京をまわるというハードな日程が記されていた。上海や南京は勿論場所も知っていたが,今まで中国に興味を払っていなかった私は,蘇州と無錫がどこにあるのかもわからない。まぁ,いいや。どこに行ってもそれなりに面白いだろう。
しかし,広告には,「熟年ロマンの旅」という気になる一文が載っている。うーん,まだ熟年にはほど遠いつもりだが? まぁ両親の旅行に付いて行くのだから仕方がないか(^^;。
いつのまにか,すっかり行く気。
かくして突然,正月の中国旅行が湧いて出たのだった。
関空が近い環境に住んでいるというのに,九州の旅行社が計画したツアーであるため間抜けなことに一旦熊本へ帰省し福岡空港からの出発となるが,これもまぁ楽し。今までの私の海外出発は,大阪伊丹空港,関西空港,成田空港の3港だから,これに福岡を加えるのも悪くないだろう。
福岡から上海は1時間半程度のフライトだと思うと,海外旅行といってもあまり構える気になれない。加えて正真正銘の観光旅行で,いつも私の海外旅行についてまわっていた観測準備も必要ないのだ。
前夜になっても今ひとつ緊張感も実感がないまま,少しだけ防寒着の仕度など。不思議な海外旅行の始まりだった。