Windows 8 の記憶域プールの覚書

Windows 8 には記憶域プールという複数のハードディスクを束ねて大きなハードディスクに見せる技術があります。家庭用NASの代わりとして使う目的で構築した時のメモを残しておきます。

使えるOS

 Windows 8 の無印とproの両方で使えます。Windows Server 2012でも使えます。

記憶域スペースと記憶域プール

複数のハードディスクを束ねて大きなハードディスクに見せた状態が「記憶域プール」で、その中からOSが使えるようなファイルシステム(DドライブとかEドライブ)にした状態が「記憶域スペース」のようです。結構この用語が曖昧に使われている気がします。
記憶域プールは 物理ディスクを追加することによって後から拡張が可能です。シンプロビジョニング機能と合わせて使えば、最初は少ないディスクから初めて、後ほど増やすことができます。ディスクの追加は通常のSATAであれば電源断が発生するので無停止で増やすのは難しいと思います。
故障という状態を出さずに途中で減らすことが出来るかどうかは今のところわかりません。

RAIDとの違い

RAIDとは全く別の技術です。
RAIDは(例外はありますが)ハードディスクの冗長の仕組みをハードウェアで 行いますが、記憶域プールではOSが行います。また、記憶域プールでは複数のハードディスクの構成情報をハードディスク内に持ちます。このため、記憶域プールを構成しているハードディスクを取り外して、別のOSが稼働しているPCに接続しても再び利用が可能です。

回復性の種類

プールされたハードディスクをどのように束ねるてスペースを作るかで回復性の種類が異なります。4種類が用意されています。
スペースは一つのプールから複数作ることができます。

シンプル

回復性はありません。RAIDの0に相当します。
すべてのハードディスクを連結して大きなディスクに見せます。2TBのハードディスクが2台あれば4TBとして使えます。
構成しているディスクの1台でも壊れるとシンプルで構成してるスペースは全て見えなくなります。

双方向ミラー

いわゆるミラーです。RAIDでは1に相当します。
データを書き込むときに2つのディスクに同じ物を書き込みます。2台以上のハードディスクがある場合、どこのディスクに書き込むかは自動で行われるため、指定はできません。実容量はプールの2分の1になります。

パリティ

RAID5に相当します。
データを書き込むときに2つのディスクに分散して書き込み、パリティ情報をもう1台のディスクに書き込みます。最低でも3台のディスクが必要です。
RAID5であれば、仮に2TBのハードディスクが4台あった場合、1台分のハードディスク容量をパリティ(実際にはパリティ情報も複数に分散します) として消費するので、(4-1)*2TBで、6TBの実容量が確保出来ますが、記憶域スペースでは常に3台のディスクで構成するので、4*(2/3)*2TBで5.3TB程度になります。
ここから先は未検証ですが、 1TB,2TB,3TB,3TBの4台のディスクがあった場合、RAIDでは一番小さい容量で構成されるので、(4-1)*1TBで3TBしか確保出来ませんが、記憶域スペースでは(1+2+3+3)*(2/3)で6TBが確保出来るはずです。そのかわり2TB,3TB,3TBの組み合わせでは、パリティを分散させる先が最高でも2TB分しかありませんので、4TBしか確保できないようです。
もちろんデータの書き込みは自動で行われるため、パリティがどこに配置されているかはわかりません。
PowerShellを使えば、 組み合わせるハードディスクの台数を3台より大きく出来るようです。これはスペースを作る際に決定するので、一度作ったスペースを変更することはできません。

3方向ミラー

1回の書き込みで、同じデータを3箇所に書く方式です。2つのディスクが壊れても回復が可能です。ディスクが3台あれば実現出来ますが、Windowsでは最低でも半分のディスクが生きていることが条件(クォーラムというらしい)なので、5台以上でプールを構成している時に使えるようです。
詳細は試していないので不明。

シンプロビジョニング

記憶域スペースは予めプールにある容量以上に確保することができます。Windows 8 では63TBの最大容量が事前に確保出来ます。Windows Server 2012 では4EBのディスクが作れるようですが、ファイルシステムの制限で実際に使えるのはWindows Server 2012 で実装されいてるReFSを使っても2PBです。
大きな容量を確保しておけば、あとからディスク追加した際にドライブレターの変更なく使えるというのがメリットでしょうか。
Windows 8ではデデュープ(Deduplication:重複排除)が使えませんので、あまりメリットが感じられませんが、Windows Server 2012ではデデュープが使えますので、見た目の容量を大きく使える可能性があります。

パリティの再作成・再構成

ディスク故障時に新しいディスクに交換したり、容量追加のために新たにディスクを追加した場合など、パリティの再作成や再構成が行われるはずですが、これは全て自動化されているので、どのようなタイミングで、どのディスクに対して行われるかはわかりません。(PowerShellでディスク交換時のパリティ再作成はできるようです)
特に新規ディスク追加時はデータの再配置は行われず、 新しいディスクの使用率が低いままという状況が生まれます。コンシューマ利用では大抵新しいディスクのほうが容量が大きく性能も高い場合が多いので、新ディスクに再配置が行われるのが理想ですが、そこは制御できないようです。(PowerShellを使っても無理っぽい)

 SMART

プールに使用したディスクは管理コンソールから見ることができません。デバイスマネージャには出るんですが。よって、通常のディスクのSMARTを見られるようなCrystalDiskInfo のようなソフトが使えません。
誰か解決法知りませんか?

 

その2を記述しました

4 thoughts on “Windows 8 の記憶域プールの覚書

  1. ピンバック: Windows 8 の記憶域プールの覚書2 | n10の個人的なメモ

  2. てんき~

    >通常のディスクのSMARTを見られるようなCrystalDiskInfo のようなソフトが使えません。
    Hard Disk Sentinelを使えば可能です。
    ポートマルチプライアでCDIでも見られないドライブがあっても、こちらのソフトでは完全対応しており、全てのドライブが見ることができます。
    http://www.hdsentinel.com/
    シェアウェアですが、メールの送信や、他のツールではエラーが検知できないものでもエラー検知をしてくれる優れたソフトです。
    うちでWINDOWS 2012 R2 SERVERでも動作確認は取れています。
    サービスとしても動きますし、緊急時メールや自動シャットダウンなど、サーバ用途に使える万能ソフトです。

    返信
    1. rnaito 投稿作成者

      てんき〜さん情報ありがとうございます
      フリーのトライアルもあるようなので、近々試してみます

      返信
      1. てんき~

        いえいえ、どういたしまして
        何か質問ありましたらメアド書いてますのでお気軽にどうぞです

        返信

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