星座入門 やぎ座

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やぎ座のデータ
学名:Capricornus
(カプリコルヌス)
略符:Cap
英語名:the Goat
the Horned Goat
設定者:プトレマイオス
(トレミー)
20時南中:9月30日
やぎ座の絵入り星図

 やぎ座 は,7月末の宵には東の空に見え始め,賑やかな夏の星々が西へ傾いた頃,静かに南中を迎えます。決して明るい星座ではありませんが,古い星座らしく,整った▽形は,容易に見つけて繋ぐことができます。

 やぎ座 は,▽形の両端にあるβ星とδ星が3等星ですから,まずこのどちらかの星を見つけましょう。
 夏の頃なら,わし座 のアルタイルと両脇の星をつないで南へ伸ばすとβ星にぶつかりますし,秋なら,ペガススの四辺形の対角線を南西に伸ばすとδ星が見つかります。
 このほかのやぎ座 の主な星は4等星ですが,周囲に明るい星もなく,目につく形をした星座ですから,β星とδ星がわかったら,あとは自然にたどることができるでしょう。

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 星座絵を見ると,やぎ座 は,上半身が山羊,下半身が魚という奇妙な姿をしていますが,ギリシア神話によると,これは,山羊の角と耳,そして山羊の足を持つ牧人と家畜の神パンが,化けそこなった姿。
 ある日,神々がナイル川の岸辺で酒宴を開いていると,そこへ大神ゼウスでさえも恐れる怪物テュフォンが現れ,神々は驚いて思い思いの動物に変身して川へ飛び込みました。パンは真っ先に飛び込んだのでしたが,あまりに慌てたため,川の水に浸ったところだけが魚に,水面より上は山羊になってしまいました。大笑いしたゼウスは,その愉快な姿を記念して星座にあげたということです。

 そういうわけで,やぎ座 は水に関係する星座の一つです。
 やぎ座 の隣のいて座 には,シュメール語で“海の始まるしるし”という意味のヌンキという名がつけられた星がありますが,太陽がこのあたりを通り過ぎる頃にバビロニア地方に雨期が訪れていたため,この星より東の一帯は海だと考えられていたのです。
 このため,いるか座やぎ座みずがめ座うお座みなみのうお座くじら座エリダヌス座 ,そして下半身を水に浸したおうし座 と,秋から冬にかけての夜空には水に因んだ星座が並びます。

 また,このあたりに山羊が配置されたのは紀元前6〜7世紀頃のことで,この頃,冬至点がやぎ座 にあり,南へ下がってしまった太陽が再び上り始める場所であったことから,岩山をよじ登る山羊がイメージされたのだろうと言われています。

 やぎ座 の星の名前については星のるつぼをご覧下さい。

やぎ座周辺の星図

こちらの星図でやぎ座 を見つけてみましょう。
やぎ座周辺の星図,星座線無



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