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全天でも一際濃くなった天の川の東岸でサソリの心臓(アンタレス)を狙って弓をかまえるいて座 は,黄道第9番目の星座として,また私たちが住む銀河系の中心方向にある星座として,知られています。
いて座 をさがす目印は,西隣の明るいさそり座 と,北斗七星を小型にしたような南斗六星。南斗六星は,柄杓の柄の先に当たる星が4等星ですが,残りの5星は2等星と3等星です。
暗い空の下でなら,射手の矢からサソリの尻尾にかけて,銀河が特に濃くあでやかに輝いていることに気がつくことでしょう。これは,射手がつがえた矢の先あたりの3万光年彼方が銀河系の中心方向となり,たくさんの星が見えているためです。
ギリシア神話によると,いて座 は,大神ゼウスの父クロノスとニンフのピリュラの間に生まれたケイロンの姿。
ケイロンは,粗野な一族とされたケンタウルス族の中でもっとも賢く善良だった人物で,医術に明るく多くの病人を助け,名医アスクレピオス(へびつかい座 )のほか多くの著名な人物を育て,教育しました。
このため,ヘラクレス(ヘルクレス座 )の流れ矢に当たって命を落とした際,死を悼んだゼウスによって星座にあげられたと言われます。
いて座 の詳しいお話については星の停車場を,星の名前については星のるつぼをご覧下さい。