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ほうおう座 は,17世紀にドイツの天文家バイエルによって制定された星座で,古代ギリシアやローマで信じられていた伝説の鳥,不死鳥を象った星座です。
不死鳥は日本では英語読みのフェニックスで知られ,古代ローマの伝説によると,インドに住む美しい鳥で,500年に一度,自ら積んだ芳香の小枝の上で焼け死に,灰の中から若鳥となって甦るのだということです。これは,毎日西に沈んで東からのぼる太陽など,繰り返される天文現象の象徴と考えられ,キリスト教中心主義だった中世ヨーロッパではイエスの甦りの象徴でもありました。
日本語星座名の鳳凰(ほうおう)は中国に伝わる霊鳥で,バイエルが星座に描いた不死鳥とは別の鳥です。
ほうおう座 は,日本では沖縄県まで行かなければ全貌を見ることができない南天の星座です。
しかし,2等星のα星と3等星のβとγは,南中を迎える晩秋から初冬にかけての宵,南の空低く見えています。ペガススの四辺形(ペガスス座 )からくじら座 の2等星デネブカイトスを探すと,そのずっと南に輝いているのがα星。他に明るい星がない場所ですから,南が見渡せる場所で確認すればわかります。南の地で星空を見上げるのであれば,すぐ南にあるエリダヌス座 の1等星アケルナルも,目印になるでしょう。
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ほうおう座 の詳しいお話については,星の停車場を,星の名前については星のるつぼをご覧下さい。