※転載・複製は,一切お断り致します。 |
|
うお座 は,アンドロメダ座 とくじら座 の間に横たわる大きな星座です。4等星以下の暗い星ばかりですが,古くから知られる星座で形は整っていますし,黄道十二星座の一つとして,そして,黄道と天の赤道が交わる春分点を持つ星座として注目される機会が多い星座です。
春分点というのは,春分の日に太陽が位置する場所で(だから春にうお座 は見えません),天球座標の赤経0hを決める空の基点です。占星術の黄道十二宮ではうお座 は十二番目の星座となっていますが,これは,昔,春分点がおひつじ座 にあったためです。
うお座 には明るい星がありませんが,周辺の星座にも際立って明るい星はありません。下の星図で名前を記したアンドロメダ座 α・β・γ,おひつじ座 α,くじら座 βが2等星,おひつじ座 β,くじら座 αが3等星です。これらの星の位置を把握したら,その真ん中に連なる星の列がうお座 です。
うお座 は紐(ひも)で結ばれた2匹の魚の姿を描いていますが,ひもの結び目に当たるのがα星(3.8等)です。そして,ペガススの四辺形の南で円を描いている星たちが“西の魚”,アンドロメダ座β星の南に連なる星列が“北の魚”。
うお座 の中で比較的明るいのは,結び目のα,西の魚のγ,北の魚へ向かうηですが,西の魚を繋ぐ紐を形づくる星列は,暗い空なら美しく弧を描くように連なっていて目につくことと思います。
***
ギリシア神話によると,うお座 は,ユーフラテス川のほとりを散歩していた愛と美の女神アフロディーテと息子のエロスが怪物テュフォンに襲われ,逃れるために川に飛び込んで変身した姿とされています。
また類似の神話として,ナイル川で神々が宴会をしていた時に怪物テュフォンが現れ,みな思い思いの姿に変身して逃げたのでしたが,アフロディーテとエロスは魚に変身してナイルに飛び込みうお座 となり,牧神パンは半分山羊で半分魚の姿となって,やぎ座 になったのだともいいます。
うお座 の星の名前については星のるつぼをご覧下さい。