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ギリシア神話に出てくるティタン神(巨人族)で,父である天空神ウラノスを討って統治者の座を奪ったが,後に息子のゼウスに追われる。
ローマ神話のサトゥルヌス(Saturnus)に相当する。
大地の女神ガイア(Gaia)と天空神ウラノスとの間に生まれた末のティタン神。
姉のレアを妻とし,ヘラ,デメテル,
子ども達を地下に閉じこめたウラノスを,母ガイアの手引きで討って王座を奪うが,同じように我が子に王座を奪われるのではと怖れるあまり,クロノスはレアが生んだ子を次々と飲み込んだ。
しかし,レアはゼウスを生んだ時,クロノスを欺いてむつきにくるんだ石を飲ませゼウスを救った。やがて成長したゼウスは,祖母ガイアの薬でクロノスの腹の中から吐き出された兄弟たちと共にクロノスに闘いを挑み,彼は冥府タルタロスへ幽閉されてしまった。
クロノスのローマ名であるサトゥルヌスの英語名:Satuenは,土星(Saturn)の名前となっている。
ゼウスの父であり神話の最長老であるクロノスが,最も高い位置を最もゆっくり運行する惑星にあてはめられたものと言われる。
ギリシアの先住民族の神であったと考えられ,古代ローマ神話の農耕神サトゥルヌス(Saturnus=種を蒔く者)と同一視される。
ゼウスに追われたサトゥルヌスは,イタリアにやってきてローマのカピトリヌスの丘に街をつくり王となり,そこで人々に農業その他の技を伝えて黄金時代を築いたという。
カピトリヌスの丘のふもとにサトゥルヌスの神殿が建てられ,12月17日から7日間サトゥルナリア(Saturnalia)と呼ばれる祭が開かれた。サトゥルナリアの間は奴隷も自由の身となり,ロウソクや人形などの贈り物交換などが行われ陽気に祝われたが,これが後にキリスト教のクリスマスの習慣へと受け継がれた。