12月の星空
12月は惑星の話題が沢山です。
まず,7日に金星が明け方の空で最大光度を迎えます。すぐ近くには火星が輝いていて豪華な空となるでしょう。
また,先月から見頃となっていた土星が18日におうし座で衝を迎え,観望好期です。冬型気圧配置の日は天気が良くても気流が安定しませんので,移動性高気圧に覆われた小春日和に観望しましょう。
26日には水星が夕刻の西空で東方最大離角。ただし,高度が低くて観察は難しいかもしれません。
そして年末の30日には,九州地方を除く全国で,昼間の火星食が見られます。月齢25の細めの月を探して,望遠鏡に入れてみましょう。
毎年年末の空をにぎやかに飾るふたご座流星群は,今年は上弦過ぎになりますので,夜半過ぎから条件がよくなります。土曜日の夜ですし,ふたご座流星群は一晩中コンスタントに流れますから,朝まで観測してみてもよいでしょう。
18日〜24日が活動期間のこぐま座流星群は1時間あたり3〜4個程度の群ですが,過去何度か突発的に出現したことがある群です。今年は月の条件がよくありませんが,気をつけてみましょう。
21日と22日には,2晩続けて星食(えんぺい)が起こります。どちらも明け方になり,21日のε星の星食は北海道以北でしか見られません。 満月を過ぎたばかりで月が明るいので,少々観察しにくいかもしれません。
なお,4日の皆既日食はアフリカからオーストラリア方面で見られ,日本では見ることができません。
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
【上旬】 カシオペア座 ・ ほうおう座
【中旬】 くじら座 ・ さんかく座
【下旬】 おひつじ座 ・ みずへび座(☆)・ろ座
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
【散光星雲】 M42 (オリオン大星雲,オリオン座)
【散開星団】 M34 (ペルセウス座), h-χ (二重星団,ペルセウス座), M45 (プレアデス,すばる,おうし座)
【銀河(系外星雲)】 M31 (アンドロメダ大星雲,アンドロメダ座), M33(さんかく座), M74 (うお座), M77 (くじら座)
惑星用語の説明はこちら。
日 | 曜 | 月 | 天文現象 |
4 | 水 | 新月:16時34分 アフリカ・オーストラリアで皆既日食。 | |
7 | 土 | 金星が最大光度(-4.7等) 大雪:太陽の黄経が 255度になる。 | |
12 | 木 | 上弦:00時49分 | |
14 | 土 | ふたご座流星群が極大。 | |
18 | 水 | 土星が衝(-0.4等,おうし座) | |
20 | 金 | 満月:04時10分 | |
21 | 土 | ふたご座ε(3.1等)の星食(札幌出現) | |
22 | 日 | ふたご座κ(3.6等)の星食(出現) 冬至:太陽の黄経が 270度になる。 | |
23 | 月 | こぐま座流星群が極大 | |
26 | 木 | 水星が東方最大離角(-0.5等,離角19度52分) | |
27 | 金 | 下弦:09時31分 | |
30 | 月 | 火星食(九州方面除く。潜入:東京10時43分,出現11時23分) |