2月の星空
先月1日に衝を迎えた土星がまだまだ観測好期です。
木星と違って土星は小望遠鏡で縞模様を観察するのは難しい天体ですが,小望遠鏡でも環の傾きが年々変化していく様子を観察できます。今年はいっぱいに開いている環も来年から少しずつ閉じていきますから,スケッチを残しておくと変化がわかりやすいでしょう。
18日の小惑星Tokioによる恒星食の掩蔽帯は,紀伊半島西部,四国東部,淡路島,岡山県から島根県にかけてを通っており,2004年に起こる小惑星による恒星食の中では対象となる恒星が一番明るく,条件がよい掩蔽です。隠される恒星(HIP 65791)は7.3等で,おとめ座 を進むTokioは13.8等。掩蔽は14.6秒続き,恒星は6.9等級も減光します。
Tokio(東京)の名を持つ小惑星が通っていく様子を恒星の減光という形で確認する珍しい機会となることでしょう。ちなみにTokioは,1900年に平山信氏によって発見され,後年になってTokioと命名されています。
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
【上旬】 うさぎ座 ・ オリオン座 ・ がか座(☆) ・ テーブルさん座(☆) ・ はと座
【中旬】 ぎょしゃ座 ・ きりん座
【下旬】 おおいぬ座
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
【惑星状星雲】 M1 (かに星雲,おうし座), M97 (おおぐま座)
【散光星雲】 M42 (オリオン大星雲,オリオン座)
【散開星団】 M35 (ふたご座), M36・M37・M38 (ぎょしゃ座), M45 (プレアデス,すばる,おうし座)
【銀河(系外星雲)】 M81・M82・M101 (おおぐま座), M106 (りょうけん座)
惑星用語の説明はこちら。
日 | 曜日 | 月 | 天文現象 |
2 | 月 | 海王星が合:19時 | |
4 | 水 | 立春:20時56分。太陽の黄経が 315度になる。 | |
6 | 金 | 満月:17時47分 | |
13 | 金 | 下弦:22時40分 | |
16 | 月 | いて座X(4.5等)の接食(南限界):05時57分(九州地方) 月が最近:17時(視直径32分27秒) | |
18 | 水 | 小惑星(498)Tokioによる恒星食:01時35分(中国・四国地方,減光6.9等,14.6秒継続) | |
19 | 木 | 雨水:16時50分。太陽の黄経が 330度になる。 | |
20 | 金 | 新月:18時18分 | |
22 | 日 | 天王星が合:18時 | |
28 | 土 | 上弦:12時24分 月が最遠:20時(視直径29分34秒) |