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法令によって閏年を規制した最初の暦法で,ローマの将軍で政治家だったユリウス・カエサル(Julius Caesar,英語読み:ジュリアス・シーザー,前100-前44年)によって導入され,前46年以降,ローマ帝国で使われるようになった。
一年の長さを365.25日,平年を365日とし,4年に1度2月に1日加えて366日とする閏年をおく。
これ以前に施行されていたローマ暦という太陰太陽暦では,閏(うるう)月は教会の権威者によって任意に入れられており,ユリウス・カエサルの時代には太陽年とのずれが2ヶ月にも達することがあった。このためユリウス暦導入時には,通常の23日の閏日のほか,2ヶ月の閏月を挿入し,前46年の日数は445日になった。このため,この年は“乱年”と呼ばれている。
しかし,導入当初は前9年まで3年ごとに閏年がおかれるという誤解があり,ローマ帝国皇帝アウグストゥス(在位前27-後14年)は前8年より後4年まで閏年を置くことを禁じた。後8年以後は,ずっと正しく閏年が置かれている。
ローマで使われていたローマ暦では,いまの3月に当たるマルティウス月(March)が年初であったため,年末の2月に閏日が置かれていた名残で2月に閏日が置かれた。毎月の名称も日数もユリウス暦はローマ暦のものを継承しているが,前44年と後8年に,カエサルとアウグストゥスが各々自分の名にちなむ Julius(July)と Augustus(August)を旧名称と変えている。
ユリウス暦の1年は1太陽年(365.24219879日)より0.00780121日(約11分14秒)長く,約128年で1日ほどのずれが出てくることから,後にグレゴリオ暦導入のきっかけとなった。