撮影は愛情の軌跡

 周囲に持つ風景は人それぞれだが,間違いなく言えることは,どこに住んでいても五十歩百歩だということ。絵のような風景に囲まれて暮らしている人などそうそういるものではない。ただ,どんな場所にだって美しい部分,美しく見える角度,そして美しい瞬間がある。

 もし自分の周りに撮るものが何も無いと思うなら,それは風景を切り取る術が未熟なだけ。周りを見る目に愛情が足りないだけのこと。
 自分に属するものたちの魅力に気づけない感性なら,例えどんな素敵な場所へ行っても魅力を引き出すことはできないだろう。写真は被写体への愛情のまなざしなのだから。

黄金の季節