懐かしいものが見える窓

(2018/02/01)

もう作られていないラムネの瓶。
あの瓶の中のビー玉は、やたらワクワクする特別な存在だった。
何とかして瓶はそのまま,ビー玉だけ取り出せないだろうかと四苦八苦したり。
窓際に置いて夏の日射しに輝く瓶を眺めて美しさにうっとりしたり。
 
夏草が生い茂る草原の真ん中の秘密基地。
お決まりのようにガラクタの宝物をごちゃごちゃ置いて、
秘密とか基地とかそんな単語にワクワクしてた。
 
真ん中だけバニラアイスだったかき氷。
氷がちょっと苦手だった私もあれならバニラを楽しみに食べられた。
 
子供だった昔の,まだゆっくりと流れていた時間の中。
何もかも過ぎ去って消えてしまった。
ただ思い出だけが,窓の向こうで心を支え続けている。