雨粒の街角で

雨降る街を彩る紫陽花

雨の日は好き。
しとしと降る雨は心を静かに落ち着けてくれる。
激しい雨は要らなくなった情念を洗い流してくれるようで心地よい。

雨が降る梅雨も好き。
だから「鬱陶しい季節」と言われるとムッとくる。
誰もが鬱陶しいと思っているように言わないで。

雨粒を喜ぶ紫陽花や夏の花火を先取りするみたいな紫君子蘭。
同じ花を見ていた様々な過去の季節を思い出す。

循環する大気の上昇気流が集まって降ってくる雨粒たち。
きっと世界中のいつかの記憶や想いが
たくさん詰まっている。

雨は地球が奏でる詩なのだと思う。
いつか私もその一部になる。