Shure SE215 SPE (Special Edition)

イヤホンの話題です。

SE215 Special Edition
4年ほど前に Etymotic Research の ER-6i の記事を書きました 。気に入って使っていたのですが、音自体に不満はなかったのですがケーブルが細く、1年ほど使っていたらステレオミニプラグのあたりが断線しました。高いイヤホンですし、本体が壊れたわけではないのでプラグ部分だけ分解して他のプラグを付けて使っていました。
ですが、また1年ぐらいして今度は本体側が断線。しかたなく買い換えました。同じER-6iですが、気分を変えて黒から白にしたんですが、これがあまりよくなかった。ものすごく汚れが目立ちます。 断線にはかなり気をつけていたので、まだ使えていますが、やはり細いケーブルだけあって、2年も経つとあちこち傷んでいて一部では被覆が劣化して中の導線が見えるようになってしまいました。
そもそもこのケーブルの細さに問題があると思い、思い切って別の製品を探しました。
改めてメーカサイトを見に行ったらER-6iはディスコンなんですね。

選んだ経緯は省略しますが、結果的にShureのSE215 Special Editionをチョイス。価格は私が買った時点では9000円ほどでした。

SE215SPE driver

メーカサイトを元に仕様を簡単に比較してみますと。

  •  Etymotic Reseach ER-6i
    再生周波数:50〜16000 Hz
    インピーダンス:16オーム
    ケーブル長:150cm
  •  Shure  SE215 Special Edition
    再生周波数:21〜17500 Hz
    インピーダンス:20オーム
    ケーブル長:116cm

という感じです。
再生周波数だけ見るとShureは低音に強いことがよくわかります。高音も強そうですが、通常の人間の可聴域は15000 Hz前後なのであまり変わらないと言っていいでしょう。たしかに低音の強さはSE215SPEのほうが感じることができます。
ただし、やっぱり数値だけでは測れないものがあるようです。本来高音もSE215SPEのほうが強いはずなんですが、実際の印象はER-6iのほうが高音の聞き心地は良いです。
SE215SPEの高音はくぐもった印象で、ER-6iは以前のレビューでも書きましたが解像度が高いという感じです。
ブラインドテストしたわけではないので(イヤホンのブラインドテストは無理っぽいです)、先入観が入っているとは思います。そのへんは差し引いて読んでいただければと思います。

インピーダンスに関しては、6iの16オームは携帯プレイヤー向けの設定だとは思いますが、ちょっとやり過ぎな感じでかなりボリュームを絞らなければならなかったです。あまり差はないですがSE215SPEは20オームは適度な感じです。
細かいことを言うと、できるだけボリュームは大きくした状態で最適な音量になっているのが、ソースを最大限に活かすという意味では良いのでしょうが、実際のところ問題にはならないと思います。所詮音源が携帯プレイヤーですし。

ケーブルについてです。比べているのは長さだけですが、ある意味最大の違いはここにあります。
先ほど書いたようにER-6iはケーブルが細く断線しやすいものでした。SE215SPEのケーブルは見た目にもかなり頑丈で、なんとイヤホン本体のドライブと簡単に分離できて、ケーブルが交換できるのです。断線に悩まされてきた者にとっては非常にありがたい仕様です。

SE215SPE cableCable Connector
サードパーティ製を含め、ケーブルは多数オプションとして用意されています。これが魅力の一つであることは間違いありません。
添付のケーブルは携帯プレイヤーを体に身につけるには長さもちょうどよく、ひとまずはこれを使い続けることにしました。
細かい話ですが、ER-6iにはケーブルクリップがついており、これが非常に使い勝手が良かったので、とりはずしてSE215SPEにつけて利用しています。

Cable Clip

スペック以外の部分ですが、音質については先ほど書いた通り。低音は定評がある通りしっかりと鳴ってくれます。高音についてはいまいちキレが無いようで、バイオリンやハープシコードなどの高音の弦楽器や、金管についてはER-6iのほうが得意な気がします。いわゆるクラシックなどはER-6iのほうが向くかもしれません。
エージングすれば変わるなんていう人もいますが、個人的にはオカルトに分類してもいいんじゃないかと思っています。

あとShureに特徴的なのは、イヤホンの耳への取り付け方です。 あまりにも難しいためかYoutubeに動画まであります(慣れてしまえばなんてことないですが)。ER-6iに特徴的だったキノコと呼ばれる3段のイヤーチップですが、これはしっかりと耳に入れれば凄まじい遮音性です。一方、Shureでよく使われるウレタン製?っぽい、耳栓のような素材は、じわじわと変形するため急いでつけようとすると失敗します。つぶして耳に入れてから10秒くらいは押さえておく必要があります。これが結構面倒です。遮音性は耳にしっかりと馴染むとかなり高いです。航空機内の低いエンジン音でも許容出来る遮音性です。しかし人間の声あたりと思われる1kHzあたりの音は意外と通しますので、話し声や、飛行機、電車内のアナウンスなどはかすかに聞こえます。人が話しているのがわかりますし、イヤホンを外すとつけるのが結構面倒なので、利点とも取れるかもしれません。
ケーブルと関係あるのかわかりませんが、ER-6iはケーブルが衣服などにこすれるときにおこるタッチノイズが結構ひどいのですが、SE215SPEにはほとんどありません。これは店頭でちょっと試聴したぐらいではわからなかったです。

まだ使い始めて1ヶ月ほどですが、いい買い物をしたと思っています。ちょっと高めではありますが、携帯プレイヤーを付属のイヤホンよりは少しいい音で聞きたいとか、飛行機の中で静かに音楽を聞きたいという用途にはピッタリだと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください