かに座 (Cnc, Cancer)

最終更新:1999-07-18

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かに座
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和名

 手元の資料では,かに座にまつわる和名は発見できませんでした。




主な星

アラビア語の英語表記: アルファベット下のドットは"."で,母音の長音符は直後に"_"を付記し,代用
星名一般名意味派生和名光度スペクトル距離絶対等級
αアクベンスAcubensつめ(ハサミ)アラビア語
4.23A*98
βアルタルフAl Tarf終わり(足先)アラビア語
3.52K4*218
γアセレス・ボレアリスAsellus Borealis北の小さいロバラテン語
4.67A1*228
δアセレス・アウストラリスAsellus Australis南の小さいロバラテン語
3.93K0?218
ζ1
ζ2
テグミンTegmineおおい(甲良)

6.26
6.2
G0*
G2*
783.9
M44プレセペPraesepeかいば桶ラテン語




光度: Yale Catalogue of Bright Stars, (3nd edition)
スペクトル: 
 * Yale Catalogue of Bright Stars, (3nd edition)
 ** Yale Catalogue of Bright Stars (4th edition, Hoffleit,D.and Jaschek,C.1982, Yale University Observatory)
 *** A List of MK Standard Stars (Garcia,B.1989, Bull.Inform.CDS,No.36)
距離および絶対等級: 『星座ガイドブック』誠文堂新光社,『星百科大事典 改定版』地人書館より抜粋。データが古いため参考までに。

【コメント】

 α星アクベンス(Acubens)は,かにの爪を表し,“つめ”という意のアラビア語,アル・ズバナー(Al zubanna_h)が語源。正式には“かにの南のつめ”という名だった。

 β星アルタルフ(Al Tarf)は,(足の)先,終点を意味するアラビア語,Al Tarf が語源。

 γ星アセレス・ボレアリス(Asellus Borealis),δ星アセレス・アウストラリス(Asellus Australis)は,それぞれ“北の小さいロバ”“南の小さいロバ”という名前で,銀でできた飼いば桶(M44=プレセペ星団)から餌を食べている姿とされている。
 この2頭のロバは,沼地を渡ろうとして頭痛に倒れた酒の神ディオニュソスを,背に乗せて渡したロバであるとか,あるいは,火の神ヘファイストスと酒の神ディオニュソスの馬で,神々が巨人族と闘ったとき鳴き声で敵を追い払った功績で星になったものとも言われる。

 散開星団,プレセペ星団は,上記のように,γ星・δ星からなる2頭のロバが頭をつっこんでいる かいば桶 である。英語で Beehive(ビーハイブ,蜂の巣)とも呼ぶが,これは,ラテン語 Praesepe に家畜小屋とか蜂の巣箱という意味があることから派生したものとも考えられる。また,プレセペ星団は,中国では“しし気”といって死体から立ち上るガスであるとされていたが,これは,ぼうっとした光が人魂のように見える印象を表している。




変光星

GCVS (General Catalogue of Variable Stars) より
変光星名変光星型光度範囲周期スペクトル備考
RM6.07-11.8361.60M6E-M9E
TSRB7.6-10.5482.35C3.8-C5.5(R6-N6)
WM7.4-14.4393.22M6.5E-M9E
RTSRB7.12-8.660:M5III
RSSRC:6.2-7.7 P120:M6EIB-II(S)

【変光星型】 M:ミラ型, SR:半規則的変光星
【スペクトル型の前後の記号】 接尾記号 E :スペクトルに輝線あり
【光度範囲】 P:写真等級
【コメント】


★ かに座の神話や探し方については,星座入門かに座 をご覧下さい。




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