ロンドン旅行記 ★ シティ・オブ・ロンドン(11)

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参考文献

11. ロンドン大火災記念塔〜テムズ・パス (Monument to the Great Fire of London & Thames Path, 2008-05-24)

 バンク・ステーションからキング・ウィリアム・ストリートを南東へ200mほど歩くと,ロンドン大火災記念塔は道路のすぐ左手に見えてくる。

 1666年9月1日に出火し,4日間に渡ってロンドンの街の80%以上を焼き尽くした大火災を覚えるため,1671年〜77年に製作されたこの塔の高さは61m。ここから火元と信じられるプディング・レーン(Pudding Lane)25番地のパン屋までの距離が61mだという。
 両隣のビルから頭を突き出すほど高い塔なので見逃すことはないが,残念ながら工事中。炎を象った頂上の金の彫刻も見ることはできなかった。


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King William Street

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Monument to the Great Fire of London /FX33 Monument to the Great Fire of London /D200 Lower Tames St from King William st /S2 Pro

 ロンドン大火災記念塔を見た後,記念塔に隣接するモニュメント駅から地下鉄ディストリクト・ラインに乗って一駅東のタワー・ヒル駅へ移動する予定だった私たちは,ここで信じられない事実を知ることになった。

 何と,地下鉄が止まっている!

 翌々日の月曜日のスプリング・バンクホリデーに向けて土日から地下鉄を部分的に運休するという看板が出ており,改札は閉鎖されている。祝日だからといって,首都の地下鉄がこんな街中で昼間から運休するなど,日本では想像もできないことだ! しばし呆然と立ち尽くしたが,どうしようもない。
 私たちは,限界とも思えるほど疲れ切った足を引きずって,ロンドン塔まで歩くしかなくなった。


Lower Tames St from King William st /D200 King William Street /D200 King William Street /FX33
King William St /D200 King William Street /FX33 King William Street /FX33

 記念塔から100mほど南下するとキング・ウィリアム・ストリートは自然と高架になり,アッパー・テムズ・ストリートとローワー・テムズ・ストリートの上を通ってロンドン橋へ続く。そう,マザー・グースで有名な「ロンドン橋」の上を通っているのはキング・ウィリアム・ストリートなのだった。
 川向こうへ渡る予定はなかったが,怪我の功名?で橋まで来ることになった私たちは,ちょっとだけロンドン橋の上を歩いて引き返した。そして橋の袂の階段を下り,ロンドン橋の下からテムズ川沿いの歩道テムズ・パスへ入ったのだった。


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Thames Path (1)

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Thames Path /FX33 Thames Path /FX33 Thames Path under London Bridge /FX33
Thames Path /FX33 Thames Path /FX33 Thames Path /S2 Pro
Thames Path /S2 Pro Old Billingsgate Fish Market at Thames Path /S2 Pro Thames Path /D200

 ロンドン橋の下の暗い通路を通ってテムズ・パスへ出ると,初日にリバーボートから見た風景が広がり,行く手にタワー・ブリッジの姿も見えてきた。

 ・シティ・オブ・ウエストミンスター(17) リバーボート


 ロンドン橋の横にはガラス張りのモダンなビルが建っていたが,その隣の薄茶色の古風な建物が目についた。物語を持つ建物は,不思議なことだが,必ずや人の目をとらえるオーラを放つ。

 オールド・ビリングスゲート・フィッシュ・マーケット(Old Billingsgate Fish Market)というその建物は,1699年に国会制定法により設立された“自由で開かれた”フィッシュ・マーケットだった。あらゆる魚を取り扱い,その象徴として屋根には魚の風見鶏?を乗せている。2日前にテムズ川リバーボートで前を通ったときも,魚を掲げた様子がよく見えていた
 1849年,マーケットはこのリバーサイドの地へ自社ビルを持って移動してきたが,後にそのビルは取り壊され,1875年,この屋根のあるマーケット・ホールに建て替えられた。デザインは,タワー・ブリッジの設計で名高いホーレス ジョーンズ(Horace Jones,1819-1887)である。
 1982年,フィッシュ・マーケットはロンドンの東 Canary Wharf(カナリウォーフ,カナリア埠頭)に近い新しいビルへ移転し,この川沿いのマーケットは建築家 Lord Rogers によって改装された。現在はオフィスビルとして使用されているとのことだ。


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Thames Path (2)

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Nikon D200
Thames Path /D200 Thames Path /D200 Old Billingsgate Fish Market at Thames Path /D200
Thames Path /D200 Thames Path /D200 HMS Belfast /D200
Thames Path /FX3 Tower Millennium Pier /S2 Pro

 一足毎にタワー・ブリッジが大きくなってゆく。
 テムズ川の両岸に広がる刺激的な風景が分泌させるアドレナリンは,程よく足の痛みを緩和してくれた。

 南岸に停泊する船は,海軍博物館として使われているベルファスト号(H.M.S.Belfast)。第二次大戦で活躍したイギリス海軍の巡洋艦だそうだ。
 そして,タワーブリッジ南に輝く一際目立つドーム状の建物は,2002年に完成したばかりのシティ・ホール。これが間近に見えると,そこはロンドン塔の前,タワー・ミレニアム・ピアだった。


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外部リンク
 ・シティ・オブ・ロンドン - Wikipedia
 ・ロンドン大火 - Wikipedia
 ・Monument to the Great Fire of London - Wikipedia, the free encyclopedia
 ・Old Billingsgate
 ・Billingsgate Market
 ・タワーブリッジ - Wikipedia
 ・Horace Jones - Wikipedia, the free encyclopedia


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